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今週の相場観:2019年6月第2週

先週は、米中貿易戦争を巡る報道が継続し、全く沈静化の兆しが見えない中、トランプ大統領がメキシコに対しても関税を課すことを発表。

 

それによりリスクオフムードに拍車がかかり、円高、クロス円安が目立った動きとなりました。

 

トランプ大統領のメキシコ関税発言で下落したドル円

ドル円ですが、109.30近辺からスタートし週前半は落ち着いた動きでした。

 

世界的に株価軟調、米金利低下という環境下でしたが何故かドル円は底堅く109円割れを回避して下値109.15、上値109.70近くのレンジで推移していました。

どうも、109円台前半に大きな買いオーダー110円手前に大きな売りオーダーがオプション絡みで入っていたとの観測が市場でささやかれました。

 

そして木曜日は株価が大きく下落したにも関わらず月末に向けたドル買いが噂され109.95と110円手前まで上値を伸ばしました。

しかし、110円ブレイクに失敗するとそこから急降下開始、木曜のNY時間から「米FOMCによる利下げが早晩行われるのでは?」といった観測から米ドル売りがいきなり開始、109.50まで押し戻されました。

 

金曜日の東京時間に、メキシコにも追加関税を課すとのトランプ大統領のツイートが伝わると株価下落に拍車がかり、今まで粘っていたドル円もついに下落を開始、東京時間に109円を割り込むと、欧州、NY時間もそのままずるずると下落し、108.30近くまで売り込まれて週末を迎えました。

 

クロス円売りで下落した欧州通貨

ユーロ・ドルは、1.1200近辺でスタート。

 

欧州議会選挙で心配されていた反EU派の台頭は見られず上昇するかと思われましたが、リスクオフのクロス円売りに押されてダラダラと下落。

木曜日には一時1.1120割れと再び1.1100割れトライの動き以下と思われましたが、米利下げ観測を背景としたドル売りから反転上昇となり1.1170近くまで戻して引けました。

 

ポンド・ドルは、1.2720近くでスタート。

 

メイ首相の後任を巡る報道が入り乱れる中、有力視されているボリス・ジョンソン元外相が合意の有無に関わらず、現在離脱の期限とされている10月末にはEUを離脱するとの姿勢を見せていることからポンドは下落。

リスクオフによるクロス円の売りにも押されて下落を続け金曜日には下値1.2560近くまで下落しました。

 

その後は、米利下げ観測による買い戻しで1.2630まで上昇して引けました。

 

オーストラリア・ドルは、狭いレンジに終始しました。

 

0.6930近くからスタートし、クロス円の売りで上値は重いながら、0.69割れではすぐに買い戻されレンジ推移でした。

金曜日には米利下げ観測によるドル売りに伴って0.6940近くまで買われて引けました。

 

米中貿易戦争激化で売られると思われた豪ドルが思いのほか堅調なのは市場のショートへ傾いているためかもしれません。

 

貿易戦争長期化で強気な米ドルは解消

さて、週末に発表された中国の報復関税、それに加えてスマホ、電気自動車のモーターとあらゆる産業に重要なレアアースの輸出を本格的に絞る姿勢が示されています。

 

米国も知的財産権について譲歩することはないと思いますので、今回の貿易戦争は相当に長期化すると考えるのが妥当でしょう。

日米の自動車を巡る貿易摩擦を彷彿させますね。

 

まさに次世代産業、5G、IoTで覇権を維持したい米国と台頭著しい中国が国の威信をかけて争っているということだと思います。

 

日本の「蚊帳の外感」が半端なく悲しい限りなのですが、テクノロジー人材の育成は一朝一夕でなるものではないので、国力の回復には時間がかかるのでしょうね。

 

そう考えれば、円安かなーと超長期的には思うわけですが、今はどうも米利下げ観測が強くなってきた感がありますので、溜まりにたまった米ドル買いのポジションが一旦解消されている時間帯なのかもしれないですね。

 

FOMCからはまだ利下げを示唆する姿勢は見られていませんが、今後の方向性に注目したいと思います。

利下げ開始となれば暫く米ドル売り期間となりそうですので、いままでの米ドル強気の見方は一旦お休みかなとも思われます。

 

いやー貿易交渉ネタで振らされる難しい相場ですね。

怪我しないように気を付けて参りましょう!

 

それでは皆様、今週もグッドラック!

 

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