先週は、米中貿易協議に大きな進展のない中、米雇用統計や欧米の金融当局者の発言、特に米国の金融政策見通しで利下げ観測が台頭したこともあり全般に米ドル安となりました。
利下げ観測に伴って株価が回復したので、リスクオフによるドル円売りの流れは強まらず、ドル円の下値は限定的となりました。
弱い経済指標も買い支えられるドル円
ドル円は108.30近くからスタート。何とか108円をキープすると108.50近くまでじり高となりましたが、NY時間のISM製造業指数が予想を下回り米国債金利の低下。ドル円下落が加速し一時108円を割り込みました。
ただ米利下げ観測の高まりが株価を支えたためドル円の下落の勢いも限定的で、108円を割り込むと買い戻しが入るレンジ相場に。
水曜日はNY時間に発表されたADP民間雇用統計が非常に弱い内容でドル円も108.40から一気に107.80近くまで下落。しかし、またしても買い支えられ株価の回復と共にあっという間に108.50近くまで買い戻されました。
木曜も108-108.50の間を行ったり来たりして、金曜日の雇用統計を迎えます。
内容は水曜日のADPと足並みを揃えて雇用者増減、平均時給の伸び率も鈍化していたため早期利下げ観測が一段と強まり、指標発表後108.50台から107.80台に一気に下落しました。
しかし、ここでも根強く買い戻され、結局108.20近辺で引けました。
米利下げ観測で買われたユーロドル
ユーロ・ドルは、1.1170近辺でスタート、週明けから沸き立つ米利下げ観測の裏で買いの方向強く、月曜日には1.1260台、水曜には一時1.1300越えと上値を切り上げていきました。
しかし、水曜の1.1300での強い売りが意識され、ECBを控えたポジション調整かNY引けまでに1.1220まで売られる激しい値動きに突入。
木曜日のECB会合では、「2019年末」まで現行の金利据え置きとしていたものを「2020年上半期まで」据え置きとしたため一時売りが強まり1.1200近くまで売られました。
その後、長期資金供給オペㇾレーション(TLTRO3)の貸出金利が予想よりも低いものでなかったことを手がかかりに買いが優勢となり1.1300まで再び上昇。
しかしまた売りの壁に阻まれるとじり安となり金曜日の雇用統計発表前には1.1250近くまで戻しました。
上記の通り米雇用統計が弱い内容となり米ドル売りの反対で買われ再び1.1300をブレイク。今度は勢いが出て一時1.1350近くまで買われ、多少戻して1.1330近辺で引けました。
ポンド・ドルは、特に大きな政治的動きが見られずユーロ・ドルに追随。
「ボリス・ジョンソン氏の支持率が高い」との報道が聞かれますので「合意なき離脱」に向けて前進しているように見えますが、米ドル安のため上昇が1.2630近くから始まり、ほぼじり高となり1.2740近くで引けました。
オーストラリア・ドルも、米利下げ観測を材料に上昇。
0.6940近くからスタートしじり高となり、火曜日には0.7000を達成、一旦0.6960まで押し戻されましたが米雇用統計で再び0.7020まで上値を伸ばしました。一旦の出尽くしから0.7000まで押し戻されて引けました。
貿易戦争で長期的には売りトレンド継続か
さて、金曜日にトランプ氏からメキシコと合意に達し、貿易関税は延期とのTweetが流れ、株価の上昇エネルギーに。
また、にわかに高まる米利下げ観測で株価が大幅に回復上昇となったためドル円の下値も限定的となりました。
なんと6月利下げ25%、7月の利下げ85%、9月まで2回利下げする可能性が50%以上と金利市場では一気に利下げ催促の相場となりました。
今回の雇用統計はやや崩れましたが、全体にそこまで景気が崩れている印象もないためやや早急な気もしますが、先行き徐々に貿易戦争の影響で景気が落ち込むことが見えているだけに、指標の大幅悪化が常に計算されているのかもしれないですね。
いずれにしても、現在の米ドル売り圧力は相当に強く、今までの積み上がっている米ドルロングの取り崩しが当面のメインテーマかなと思います。
米ドルの裏で何を買うのかですが、素直に考えればユーロ、リスクオフとならないと動きは出にくいですが、やはりドル円もやや下値を警戒した方がいい時間帯ですかね。
週末はEU当局から利下げの可能性に言及する発言が出ているようですが、なかなかこの米ドル売りのトレンドを再度ひっくり返すのは難しいような気がします。
ユーロ・ドルの買いをメインに組み立てようかなーと思います。
いやーほんとに利下げしちゃうんですかねー。目が離せません。
それでは皆様、今週もグッドラック!!
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