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今週の相場観:2019年6月第4週

先週は、米中貿易協議に大きな進展のない中、「メキシコと米国で合意が成立、関税回避」とのニュースが週末に発表されたため、ドル円が強めでオープンしました。

 

また米利下げ期待を背景とした株高も一服。やや前のめりとなった利下げ期待も落ち着き一旦米ドルが買い戻される展開となりました。

 

強い経済指標に支えられたドル円

ドル円は、前週の引け108.20近辺から窓を開けて108.50近くからスタート。火曜日の欧州時間まで上値を伺う展開で108.80まで上昇しました。

しかし、そこからは米株価の伸び悩みからリスクオンとなり切れずダラダラと下落、108.20を割り込む水準まで売り戻されました。

 

このままずるずると107円台へ突入かと思われましたが、金曜日の米小売統計、米鉱工業生産といった市場が強い結果となったため、アグレッシブな6月利下げ機運は遠のき、ドル円も108.50を超える水準まで買い戻されて引けました。

 

トランプ大統領の通貨安けん制ツイート

ユーロ・ドルは、前週引けの1.1330近辺から若干下に窓を開けて1.1320近くからスタート、一旦1.1300割れまで戻すもクロス円の買いにも支えられて総じて堅調でした。

 

また水曜日にはトランプ米大統領が、「ユーロや他の通貨がドルに対して下落誘導された。米国は不利に立たされている。FEDの金利も高すぎる」とツイート。

ユーロ買いが誘発され1.1340まで上値を伸ばしました。

 

しかし、前の週にも厚い売りオーダーが意識されて抜けなかった1.1350のブレイクに失敗すると、するすると下落を開始。ポンドの弱さにもつられたことや、上記の強い米景気指標から売りの圧力が強まり1.1200手前まで下落となりそのまま週末を迎えました。

 

ポンド・ドルは、ユーロと概ね似た動きでした。

「合意なき離脱」を辞さないボリス・ジョンソン氏が次期首相に向けて高い支持率を維持しており、上値が重い状況が継続。

1.2740近くから始まり水曜までユーロと同じ展開、一旦下げたあとじり高となりトランプ発言で1.2760をつけましたが、そこからは売り一辺倒でした。結局1.2590まで下落して引け。共にややで引けました。

 

オーストラリア・ドルは、全く進展のない米中貿易協議を受けて一段の利下げ観測が強まり下落基調でした。0.7000近くで始まりほぼ週を通じて下がり続け結局、0.6870まで下げて引けます。

 

香港デモ、米中対立と不透明さを増す世界情勢

さて、週末話題となりました香港のデモ。

 

「逃亡半条例」が改正されると、香港で活動する活動家など中国政府に批判的な人物が、容疑のでっち上げで中国に引き渡される懸念が出てくるということで、香港の民主主義の根幹に対する重大な懸念という意味合いでした。

700万人の市民のうち200万人が参加と、流石に香港当局も一時撤退。条例の延期を示唆しました。

また、米国も香港の問題を米中首脳会談において「議題になる」と援護射撃をしたことから、ますます米中貿易協議がまとまる可能性が低くなったと言えそうです。

 

一方で、「中国の習近平国家主席が北朝鮮を訪問する」と報じられ、米国へのけん制姿勢を見せています。いやー、G20では何も決まらなそうな気がしますね。

ただここに来て、「米企業から第4弾の関税措置について負担が大きすぎるとの声が上がっている」、という報道も聞かれていますので、最後まで何が起こるかわかりません。

 

今までの米中の強硬な態度を見ていますと、どちらも折れない可能性が高いように見えますので、米中協議は難航、世界景気は鈍化をメインシナリオで考えて良いのかなと感じます。

G20で何も達成されなければ、いよいよ7月の米利下げの実現可能性が高まると思いますので、それに向けてドル円の売り場、ユーロドルの買い場を探して行きたいですね。

 

今週のFOMCで一旦ドル高に傾く局面があれば、やや長い目戦でのドル売りを仕込むチャンスかなといった目線で臨みたいと思います。

米中貿易戦争、正に今後の10年に影響を及ぼす重要な局面と言えそうです。引き続き気を引き締めて頑張っていきましょう!

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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