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今週の相場観:2019年6月第5週

先週は、トランプ米大統領が習近平国家主席と電話協議し、「月末のG20において会談する」と発表。

株式市場がサポートされ、ドル円の下値を抑えました。

 

ただFOMCにおいて当局が市場の催促に合わせる形でハト派的な姿勢を見せたこともあり、全般に米ドル売りが加速しましたね。

 

FOMCの利下げ示唆に大きく下落したドル円

ドル円は、株価も週の引け108.20近辺から窓を開けて108.50近くからスタート。狭いレンジながら上値を108.70台まで伸ばしました。

ただ109円到達前に跳ね返されたことや、FOMC前の警戒感から徐々に下落火曜日には108円手前まで下落。

 

そこで、上記のトランプ発言から米中協議に進展かとの期待で108.70まで反転上昇、と荒い値動きが見られました。

 

注目のFOMCですが、理事会構成員による政策金利の見通しを示すドットチャートが明確に下振れて、今後の利下げを示唆。

声明文からは「忍耐強く」の文言が外されて、「必要ならば行動」と状況次第で利下げを実施ととれる文言を追加、ブラード・セントルイス連銀理事が利下げを主張(却下されましたが)、と全般にハト派的な内容でした。

 

また、パウエル議長の会見でも声明文通りのハト派的な内容で、必要に応じて利下げと十分に市場が織り込む内容となりました。

市場はドル売りで反応し、会見前の108.40から108円割れを攻め、木曜日には107.20台まで下値を拡大。

 

金曜日に一段攻めますが107円がサポートされると、株価の上昇につられて一時107.70台まで反発と全般に激しめな動きを見せ、結局利下げ観測で売り戻され107.30台で引けました。

 

週後半のドル売りで上昇した欧州通貨

ユーロ・ドルは、1.1200近くからスタート、週初はクロス円の買いも支えとなって1.1250近くまで上昇していましたが、米中協議に係る上記のトランプ氏の発言から一旦ドル買いとなり1.1200割れまで売られました。

 

ただFOMC後は市場全般が米ドル売りに傾き、ユーロも上昇を開始。

木曜日には1.1300を上値ブレイク、一旦やや売り戻されますが、金曜日も力強く上昇し1.1370近くと注目されていた200日移動平均を上回っての引けとなりました。

 

ポンド・ドルは、ボリス・ジョンソン氏のリードが伝えられる中、「合意なき離脱」の可能性が高まっており週初は重い値動き。

 

1.2590台でスタート後、じり安となり火曜日に1.2500台まで下落と年初のフラッシュ・クラッシュ以来の安値まで切り込みました。

一旦サポートされるとFOMC後のドル安の影響から買い戻しが入り、1.2740近くまで力強く上昇して週末を迎えました。

 

オーストラリア・ドルは、0.6870近くからスタート。週初さえない値動きで0.6840まで売られますが、トランプ・習主席の電話協議報道で一気に反転し、0.6880まで上昇しました。

その後はFOMC後のドル安で0.6930近くまで買われて引け。

 

今後も持続的なドル安トレンドへ

さて、最近の当局者の発言からハト派に転じていましたが、公式のFOMCでも利下げの用意があることが明確に示される形となりました。

 

今後の経済指標や他国の中銀政治情勢に従って多少の上下があるかもしれませんが、持続的な米ドル安への道が開かれたように思います。

 

目先のイベントとしてはG20での協議ですが、今までの米中の強硬姿勢を考えますと本質的な合意には到達出来ない可能性の方が高いように感じます。

大手米系銀行の予想では20%とか。

そうするとやはり、7月のFOMCでの利下げが視野に入ってくるように思いますし、米ドル安をメインシナリオに据えた組み立てで臨みたいところです。

 

またイラン情勢もにわかに緊迫してきています。

トランプ大統領が空爆を実施寸前であったことなどが報じられています。

 

ただでさえ利下げ観測でドル円に下落圧力がかかりやすい局面ですので、地政学リスクの高まりとなりますと、ドル円の下値を目指す動きも活発になりがちですので要注意。

このような情勢もあってかスイス・フランにも買いが集まっていたり、金やビットコインといったドル以外の資産の上昇が目立ちます。

 

引き続きユーロドルの買い、ドル円の売りなどがメインテーマとなる気がしますので、このトレンドにうまく乗れる様に頑張って参りましょう!

 

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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