FXコラム

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ノーベル経済学賞連発!行動経済学とは?

先日、ノーベル賞が発表され、日系人であるカズオ・イシグロ氏の受賞が話題になりました。私も何冊か持っているのですが、「日の名残り」しか完読できておらず(他はちょっと難しかったんです。。)、これを機に埃をかぶった本を取り出したところです。

 

一方で、ノーベル平和賞を受賞した団体ICANには国際運営委員を努めている日本人がいるにもかかわらず、日本からは何のコメントもないこともニュースになっておりました。なんだかんだ政治が絡んでしまうんですよね。ノーベル平和賞はスー・チー氏の件もあったり、ここ最近、何かと物議を醸していますね。

 

そして、ノーベル経済学賞に行動経済学のリチャード・セイラー氏が受賞しました。「あれ?前も行動経済学の人、受賞したよね?」と思い、調べたら2002年にダニエル・カーネマン氏が受賞していました。加えて、2013年の受賞者であるロバート・シラー氏も受賞理由は行動経済学ではないものの、主な研究は行動経済学だったようです。

 

行動経済学とは?

行動経済学の本はテクニカル分析を勉強している時に何度か読みました。読む前は結構「経済の本」ということで身構えていたものの(なんてたって、私は文学部出身)、読んでみると、私たちの日常生活に関係していることがとても多く、面白いし役に立つので、みなさんにもオススメです。

 

例えば、「製品Aは1日200円で使うことができます」というのと、「製品Bは毎月6000円かかります」というのだと、実際は同じになるにも関わらず、多くの人は「B高いな。6000円か」となるようです。これを利用して「1ヶ月15000円貯金するぞ」と言うよりも、「1日500円貯金しよう」の方が何となくハードルが低く感じられるので始めやすい、というケースがあります。

 

これはフレーミング理論とかフレーミング効果と言います。

 

また、ランチなどで「1000円、1200円、1500円」とあると、真ん中の1200円を選びやすいというのも、極端回避性という性質だそうです。これを利用して、一番売りたいものを真ん中の価格に置くというのがあるようです。この背景にある、「一番安いのだとケチと思われるけど、1500円は高い。じゃあ、1200円が妥当かな」という論理づけは、何となく空気を呼んじゃう日本人特有の行動かと思っていたら違うんですね。

 

FXと行動経済学

もちろん、FX取引のシーンでも行動経済学の効果は実証されています。

 

プロスペクト理論と呼ばれているもので、「利益が得られる場面で確実性を重視し、損となる場面では奇跡の確率を信じる」というものです。

 

お、思い当たりますよね。。FXでもプラスになると、そわそわしちゃってT/Pを置いているのに、手動で利益確定をしてしまったり。。。マイナスが膨らむと、これもまたS/Lを置いているのにそれを外して、奇跡を待ってしまう。。。「心の弱さ」を嘆いたものですが、これは行動経済学なんだ!だからEAを使うんだ!と納得したものです。

 

「 『にんげんだもの、相田みつを』ってことだね!」と話していたら、なんとリチャード・セイラー氏は、相田みつを美術館を訪れ、Tシャツまで買ったのだとか。とりあえず、週末に相田みつを美術館を訪れようと思います。(なんか間違っている気が・・)