貿易戦争のネタが尽きませんね。
7月11日早朝にアメリカ政権は中国の知的財産権侵害に対する制裁関税の追加措置の原案を発表しました。
米、中国への追加関税措置を発表
食料品、素材など2,000億ドルに相当する6031品目に10%の追加関税を課すとのこと。タイミングとしては8月末までに一般から意見を募り、9月以降に実施予定です。
すでに500億ドル分の品目に対して25%の関税を課す方針であり、そのうち340億ドル分は6日に発動されているわけですが、それに追加して関税の規模を積み増す姿勢を見せたことになります。
ただし、米通商代表部(USTR)は関税リストを発表した上で「米国は中国と交渉する用意がある」との見解を示していることから、まだ全面的なリスクオフとはならなそうですが、ドル円はこのニュースを受けて111.30近辺から110円を割り込む水準まで一旦売られました。
貿易戦争の先行きを懸念する消費者の声
貿易戦争に関わる見方は色々と出てきていますが、今のところ市場で一番多い見方というのは、関税合戦のGDPへ与える影響というのはそこまで大きくはなく、したがって株式市場も本格的な調整は回避され、世界不況は回避されるというもののようです。
しかし、実際のところはどうでしょうか、経済を動かすのは企業や消費者のセンチメントが非常に重要ということを踏まえると、最近気になるデータも出てきています。
ミシガン大学の発表している消費者センチメントデータでは、高水準を維持するものの、貿易戦争に係る懸念を口にする消費者が多かったとのこと、また企業経営者、特に世界的な分業が進んでいる自動車産業を中心に懸念の声が多く上がっています。
一番目立つ例は米国外へ生産を一部移す計画を発表してトランプ大統領の批判の的となっている高級バイクのハーレーダビッドソン社でしょうか。
雇用統計などの実績経済データは堅調を維持しているものの、先行指標である先行きに対するセンチメントデータがやや崩れつつあるなか、年後半の景気見通しはそれほど良くないということかもしれません。
利上げけん制によりドル安トレンドが発生か
また気になるのは、やはり米国においてインフレが再び起こるのか?どいう疑念です。
アマゾンの参入による小売価格押し下げ効果、薬価の押し下げ効果、またこれもNY10日に発表されましたが製薬大手のファイザー社が、トランプ大統領との会談後に7月1日から実施した値上げを撤回するという珍事も見られています。
また国家経済会議のクドロー委員長は先月末にFRBに対して「極めて低速な動きを望む」とコメントし、利上げ加速を強くけん制した。このようなコメントは新興国や政治とべったりの日本ならいざ知らず、中央銀行の独立性を極めて重んじる米国では異例中の異例です。
全てあわせて考えてみると、関税政策によって国内の雇用を守るが、輸入品の物価が高くなるリスクがあり、中央銀行が利上げ加速、そして経済がクラッシュとならないようにファイザーの例にも見られるように物価上昇を抑えるように企業に圧力をかけているように感じます。
結果として、利上げは予想より進まずドル安を招き、それが米国の輸出、製造業の雇用を促進するというシナリオを進んでいるように見えますが、トランプ政権の真意はいかに……?
当面は利上げ継続姿勢の米ドルが買われやすいと思いますが、時間の経過とともにトランプ政権のドル安誘導が更に見えてくることも十分にあり、その時は大きなドル安トレンドが発生するかもしれませんね。頭の体操にいろいろと考えておくのは良いですね!
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