今回は「レバレッジの利用」について、話してみようと思います。
海外FXの最大の魅力と言われているのがレバレッジですが、このハイレバレッジが理由で、「海外FXは危険、ハイリスク」とも言われているのも事実です。
しかし、ハイレバレッジそのものは危険でもハイリスクでもありません。
今回はここをしっかりとお伝えしたいと思います。
「レバレッジが高いと損失も大きく」はなりません!
国内FX業者(レバレッジ25倍)と海外FX業者(レバレッジ500倍の場合)で比較していきます。
例)
口座に10万円入っています。
1ドル120円で0.1ロット(1万通貨)ポジションを買う場合、必要は証拠金は下記のように計算していきます。
必要証拠金=レート ×取引数 ÷ レバレッジ倍率
【国内】120×10,000÷25=48,000円
【海外】120×10,000÷500=2400円
数時間後、1円下がり119円になってしまいました。
ここで、たまにレバレッジが高いと損失も高くなると思っている方がいるのですが、この場合、どのレバレッジでも損失は1万円です。
つまり、1円下がった時点で、口座残高は9万円。
これは国内業者で取引しても、海外業者で取引しても結果は同じです。
では、なぜ「ハイレバレッジ=ハイリスク」となるのか。
理由は「ポジションを持ち過ぎてしまうこと」です。
ハイレバレッジそのものの問題ではなく、ハイレバレッジが生み出す「余裕」が問題なのです。
10万円入金してレバレッジ25倍ならポジションを0.1ロット持っただけで証拠金の半分を使ってしまうので、
「これ以上は持つのやめよう」と思う人が多いはずです。
ところが500倍だったら、
「2400円だったら、20倍の2ロット持っても証拠金48000円と25倍と一緒だからいいっか」
と、2ロットも持ってしまう人もいるのです。
ここで先ほどの計算をしてみます。
1ドル120円でポジションを買った数時間後、1円下がり119円になってしまいました。
この時点で口座残高は
【国内FX業者・0.1ロット】 10万円-1万円=9万円
【海外FX業者・2ロット】 10万円-20万円=0円(ロスカット)
ポジション数が大きければ大きいほど、損失も大きくなり、時としてロスカットになってしまいます。
反対に1円上がり121円になった場合、
【国内FX業者・0.1ロット】 10万円+1万円=11万円
【海外FX業者・2ロット】 10万円+20万円=30万円
2ロットの場合は損失も利益も20倍ですので勝った時は大きくなります。
大きなポジションを持つことは、このように「ハイリスク・ハイリターン」となるわけです。
しかし「ハイリスク・ハイリターン」を作り出しているのは大きなポジションを作ったトレーダー自身の選択、
つまり海外FXのレバレッジはあくまでも「500倍まで上げられますよ」という選択肢があるだけのこと。
50倍、100倍で取引をしてもまったく問題ありません。
もしも、「つい、ポジションを持ってしまう」(ポジポジ病なんて言いますね)癖が出てきてしまったら、口座のレバレッジを下げて物理的にポジションを持てなくするのも一つの手です。
ハイレバレッジのメリットはリスク許容度
例えばポンド円などは1日で数円動くこともありますよね。
動きの値幅がある場合、すぐにロスカットにならない“体力”が肝になります。
例)
口座に30万円入っています。1ポンド180円で0.5ロット(5万通貨)ポジションを買う場合、必要は証拠金は下記になります。
【国内】180×50,000÷25=360,000円
【海外】180×50,000÷500=18,000円
【国内業者の場合】
ロスカット水準はFX業者によって異なりますが、50%のところが多いのでここでは50%で計算します。
ロスカット水準は36万円×50%=18万円
ロスカットまでの値幅 = (30万円-18万円) ÷ 50000通貨=2.4円
180円-2.4円=177.6円になったらロスカットになります。
【海外業者の場合】
海外業者の場合、20%~100%とロスカット水準はまちまちです。ここではわかりやすく国内業者と同じ50%で考えます。
ロスカット水準は1.8万円×50%=9000円
ロスカットまでの値幅 = (30万円-9千円) ÷ 50000通貨=5.82円
180円-5.82円=174.18円になったらロスカットになります。
つまり、必要証拠金が少ないほどロスカットまでの距離は長くなります。
これが「リスク許容度・リスク耐久度」というもので、ハイレバレッジの大きなメリットです。
逆にリスク許容度いっぱいまでポジションを取ってしまうことは、この大きなメリットを消してしまうことになります。
つまり、ハイレバレッジはあくまで「選択肢」であり、FX取引で大切なことはトレーダー自身のポジション管理なのです。