先週は全般的に米ドルが堅調な動きを見せていました。
ドル円ですが、前週の110.8近辺の引けから解散総選挙報道を受けて、111円近辺からギャップアップしてスタート。その後もFOMC前の期待感もあり底堅く推移し、110円台に押すこともなくFOMCを迎えました。その注目のFOMCですが、10月からバランスシートの縮小を開始することを決定しました。事前の予想通り、8月下旬から9月にかけて米国を襲来した3つのハリケーン(ハービー、イルマ、マリア)の影響については、「中期的な景気見通しに変更を迫るものではない」、としており、ひるがえって考えてみると、よほどのことがなければ12月の利上げは実施する姿勢と言えるでしょう。
足元のインフレ指標の下振れを受けて、ハト派的な予想をしていた向きのドル売りは一掃され、ドル円は一時112.5まで上昇。その後利食いをこなしつつ順調に上値を追うかに見えましたが、日本時間の金曜日に国連におけるトランプ大統領の北朝鮮批判を受けて北朝鮮が水爆実験を行う可能性との報道からドル円は一旦111円半ばまで下落。多少買い戻されて112円近辺で週末を迎えました。
ユーロドルは狭いレンジで推移。1.195近辺でオープン後、ユーロ円の上昇に引っ張られる形で1.200台を回復してFOMCを迎えました。12月の利上げ姿勢を崩さないFOMCを受けたドル高で一時1.186まで下落、その後再度ユーロ円の上昇に伴うユーロ買いが見られ1.2台をタッチしましたが失速し、結局1.195近辺で引けました。
ポンド・ドルは方向感のない展開1.36近辺でスタート後、前週の大幅上昇後ということもあり、さすがに一旦1.35を割り込む水準まで小幅調整。しかし、その後ポンド円の上値追いに伴う買いから1.3660まで上昇。金曜日には北朝鮮の報道を受けたドル円、クロス円の調整に伴い幾分売られ、1.350近辺での引けとなりました。その他では通貨高けん制が聞かれたカナダドルが1.2198から1.234近辺まで下落。豪ドルはクロス円の上昇を受けて0.8近辺から0.8100へ上昇を見せる局面もありましたが、当局からのけん制発言で一時0.79近辺まで下落、その後0.796まで持ち直し引けました。
北朝鮮リスクは未だに水面下にある
さて、引き続き北朝鮮関連のニュースが騒がしくなっています。
米朝のやり取りは再びこども同士の口論の様相を呈しています。トランプ大統領が北朝鮮の金正恩委員長を「ロケットマン」と例えると、北朝鮮側は猛反発。李容浩(リ・ヨンホ)外相は23日の午後、国連総会の演説にてトランプ大統領を「独りよがりの誇大妄想の気が狂った人」、「米国全土に我々のロケットを打ち込むことが不可避になる」などと発言し、緊張は高まっています。
一方で、ロシアのラブロフ外相は、米朝の応酬を「幼稚園でのけんか」と評し、冷静な対応を促すという、まるで当事者ではないかのような振る舞い。何度も国土をまたぐミサイルを発射されている日本は、解散総選挙に向けた新党発足の動き、野党第一党の民進党前原代表が北朝鮮に近いとの中傷合戦、とこちらもまったく当事者意識のない様子。
それにしても、最近の北朝鮮をめぐる緊張はやや制御不能になっているように見え、為替市場にもリスク回避的な動きがいつ持ち込まれてもおかしくない状況ではないでしょうか。足元はドル円、クロス円の上昇が顕著であったこともあり、利食いの理由に使われやすいタイミングでしょう。しかし、先週のFOMCでも示された通り、バランスシート、政策金利の正常化へ向けた動きを淡々と見せる米ドルの反転上昇がユーロやドルについて見られやすくなる時間帯ではないでしょうか。アマゾンショックの象徴とも言える玩具販売のトイザらスの破産法申請、幅広い小売業の不振等を抱えつつも好調を維持する株式市場も海外からの資金流入を促す一因と言えましょう。
北朝鮮ネタ等でドル円が下がった時は、押し目買いのチャンスと捉え、年末に向けたポジションを仕込んでいきたいところです。では、皆さま、今週もグッドラック!
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