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今週の相場観:2016年12月第3週

非製造業のISMを含めて、総じて好調な経済指標が発表された米国でしたが、週前半は為替・金利市場の動きは総じて小動きとなりました。水曜日のNY引け時点では、ドル円は113円台後半と前週末からほぼ変わらず。また、ユーロドルに関しては、木曜日のイベントECB会合を控えて、一部で噂されていた資産買取額の縮小観測を背景に、先週末の1.06台後半から1.07台半ばまで買い戻されていました。

ECBで何が起こったか?

さて注目のECBですが、「来年4月以降、資産の買入額を現状の800億ユーロから600億ユーロに減額すること」、「資産買入れの期間を来年3月末から12月末まで延長すること」、などを発表しました。為替市場では、まず資産の買入額の減額に注目が集まり、一気にユーロの買戻しが進み、1.087まで上昇しました。しかし、その後の記者会見でドラギ総裁が「今回の買取額減額はいわゆる、”テーパリング”ではない」と発言したこと、そして、買入期間の延長を受けて「ECBによる緩和が長期戦に切り替わった」という市場の解釈のため、ユーロの売りが優勢となり、結局木曜日のうちに1.06近辺まで売り戻され、1.05台半ばで週末を迎えました。

ドル円市場の動き

ECBを受けて再び大きく動き出したのは、金利市場とドル円相場でした。ECBの政策変更が金融緩和期間の延長と受け止められたことで、欧米の株式市場は上昇を一段と強め、安全資産とされる債券には一段の売りが強まり、米国債の金利は大幅に上昇しました。日本銀行が10年国債の水準をゼロ近傍に留めるようにコントロールする、という円金利との金利差の拡大が市場で意識され、ドル円への上昇圧力が高まり、結局115.30近辺まで買い進まれて週末を迎えました。トランプ氏の米国のインフレ率を高める可能性が高い政策は必ずしも米ドル高政策ではないため、足元の米ドル高を受けて、今後何らかの牽制発言もありえます。また、年内最後のイベントFOMCを控えた警戒感から、ドル円が一旦は失速する可能性もありますが、この強いトレンドには逆らわない方が賢明ではないでしょうか。トレンドが弱まる可能性を頭の片隅におきつつ、押し目買いスタンス継続で参りましょう。

OPECでの減産決定

さて、週末に開催された OPEC加盟国と非OPEC産油国との会合において動きがありました。ロシアの減産を含めた非OPEC加盟国による日量60万バレル弱の減産に加えて、世界最大の産油国サウジアラビアが11月末の会合で発表された減産額を上回る減産を行う、との発表がありました。週明けのオイル価格がどこまで上昇するのかに注目です。オイル価格上昇となれば、世界的にインフレ圧力が高まりを見せる可能性が高くなり、ドル円の一層の上昇の可能性への道が開かれる展開も。年末までに120円??なんて展開も想定しておいた方が良いかもしれません。

 

今年は、年末まで値動きの激しく落ち着かない相場になりそうですね!さすがにクリスマス休暇が近いのでそろそろ落ち着いて欲しいのですが。

ではでは皆様、グッドラック!!