みなさん、三連休&クリスマスはいかがお過ごしでしょうか。世界敵にクリスマス休暇の時期であり、日本でも年末年始ムードであることから市場は閑散としています。今回のコラム記事は、まずは先週のマーケットのおさらいから始めていこうと思います。
ショッキングな事件が多発
先週は、地政学リスクから市場が幕を開けました。19日のNY時間、トルコ駐在のロシア大使が非番の警官に銃殺されるという事件が発生。また、ドイツ、ベルリンのクリスマスマーケットにトラックが突入し、死亡者も出るテロが発生しました。リスク回避的な動きを受けてドル円が一時116円台半ばまで売られました。
翌20日の政策会合にて、日銀は予想通り金融政策を据え置きましたが、声明発表後の会見にて黒田総裁が現在の為替市場について、
「円安は今の時点で行き過ぎとか弊害あるとの見通しない」、「円安といっても今年の月と同じで別に驚く水準ではない」
など、足元の円安水準を容認する発言を見せたため、一時ドル円は118円台まで上昇しました。その後はクリスマス休暇前のポジション調整のため、もみ合いの様相となり117.30近辺で週末を迎えました。
ユーロドルは限定的な値幅ではあったものの、再び下値を試す展開となりました。上述の20日の黒田総裁の発言を受けたドル円の上昇に伴うドル高の影響から、ユーロドルは下落し、一時1.035台まで下落しました。その後は特に材料のない中で、買い戻され1.045近辺で週末を迎える地味な展開でした。
ポンドと豪ドルの動きに注目
主要通貨の中で、比較的大きな値動きを見せたのが、英ポンドと豪ドルでした。英ポンドは、対円では147円台前半から144円を割り込む水準まで下落しました。特に具体的な材料があったわけではないですが、11月からの上昇の反動や、来年の3月末までにBrexitの引き金となるリスボン条約50条に照らしEU離脱を通告するというイベントが目に入ってくることが原因でしょうか。ポジション調整をこなしながら、下落トレンドを継続というのが英ポンドの2017年のメインシナリオとなる可能性が高いでしょう。
一方、豪ドルですが、対米ドルで、6月以来0.72を下回る水準まで下落しています。豪ドル円でも週初の86円台前半から84円台前半までの下落となりました。中国の習近平国家主席の、「経済成長率について政府目標の6.5%を下回ることを容認する」との発言が金曜日に報道され、鉄鉱石を中国へ輸出しているオーストラリアの景気不振への懸念から、豪ドル売りが進みました。
中国経済に漂う懸念
中国経済は、目先は堅調と見られていただけに、もし中国景気の不振が具現化すれば、2016年1月に見られたような世界同時株安、円高、資源国通貨安などが再燃するリスクも頭に入れなければいけません。2017年も中国経済からは目が離せないことを印象づける値動きでした。
今週のマーケットですが、米国は12月26日、英国は12月27日まで休場ですので、2016年最終週も市場参加者の少ないマーケットとなります。市場が薄いだけに、変な値動きに巻き込まれないようにポジション繰りに注意しましょう。
ゆっくりと、そしてしっかりと2017年の方針を考える良い時間としてお過ごしください。
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