FXコラム

マーケット情報

今週の相場観:2017年1月第2週

あけましておめでとうございます!旧年中は本コラムページにて大変お世話になりました。今年もどんどん耳寄りで有益なFX情報を提供していきます。

 

今年は金融市場の中心地の1つである米国にて、トランプ新政権がスタートすることもあり、為替市場の値動きも激しくなることが予想されます。ポジション繰りには気をつけつつ、今年も景気良くどうぞよろしくお願いいたします!!

各地で高まる地政学リスク

さて、年初から地政学リスクが高まりを見せております。トルコでは1月1日未明に、首都イスタンブールのナイトクラブで銃乱射事件が起こり39人が死亡、イスラム過激派組織ISが犯行声明を出しました。トルコリラは昨年末から対米ドルで3%以上下落し、最安値を更新しております。しかし、リスク回避の円買いとはならず、まずは昨年末の流れを引き継いでドル円は上昇からスタートしました。

 

現地3日に発表となったISM製造業が強い内容となり、ドル円は年初117円近辺から118.60円まで上値を伸ばしました。その後は12月に開催されたFOMCの議事録が景気、インフレ率の上振れリスクに触れつつも、年3回の利上げを予想する市場参加者が思うほどタカ派的な内容ではなかったことや、雇用統計前のポジション調整という側面もあり反転調整、一時、115円台前半まで下落しました。

 

ユーロドルも対ドルでほぼ同様の値動きでした。3日のISM製造業発表後に1.035を割り込みましたが、その後雇用統計前までに1.06台まで回復するという荒い値動きでした。

 

さて、注目の雇用統計ですが、雇用者数増加に関しては予想 175千人のところ156千人と期待外れでした。しかし、直近2カ月で19千人の上方修正があったことや、平均時給の伸び率が前年比2.9%と2009年来の伸び率となったこともありドル高に転じ、ドル円は117円近辺、ユーロドルは1.05台前半で週を終えました。また原油価格もOPECの減産開始を受けて堅調となり、カナダドルやロシアルーブルの上昇も顕著でした。

保護主義的なトランプ劇場

とはいえ、やはり目が離せないのがトランプ劇場。先週は、自動車大手フォードが16億ドルのメキシコ生産工場拡大計画を中止したことが発表されました。これはもちろんトランプ次期大統領の影響が大きいと考えられます。また米国とメキシコ国境の壁については、まず米国で費用を負担し、その後メキシコに請求する、との報道も出てきておりメキシコペソも年初から対米ドルで大幅下落。たまらずメキシコ中銀は自国通貨買いで為替介入をしておりますが、一段の下落は必至の状況と思われます。

 

トランプ氏はトヨタのメキシコ工場拡大についても、メキシコから米国への輸出に対しては大幅に関税をかけるとしており、保護主義的な動きは一段の強まりを見せています。保護主義の高まりはマクロ経済的には労働コストの高騰を招き、インフレ率が上昇する傾向が高まることを示唆します。そのため、FOMCが予想以上に利上げをしなければいけない可能性が高まっているとも言え、今年も米ドル高が継続するかが最大のテーマとなりそうです。

 

1月20日の就任式後のトランプ政権の実際の政策運営に注目です!!それでは今年もグッドラック!!

 

★日本人トレーダー支持率No.1!の XM
XMの会社詳細はこちら