先週は10月初週ということもあり、重要経済指標の発表が相次ぎました。
そんな中でも、主要通貨に対する米ドルの強さが目立っ多様に感じます。注目されていた主要統計ですが、ISM製造業から始まり、ADPによる雇用者数増減、耐久財受注などの統計に底堅さが見られ、年内の利上げ観測が徐々に強まっていくイメージでしたね。
雇用統計と北朝鮮リスクでジェットコースター相場
ドル円ですが、112.5近辺からスタート後、全般としては上値を試しているように見えながらも、欧州時間に入ると急にドル円、クロス円の売りが持ち込まれました。火曜日には113.20のブレイクが失敗すると翌水曜日には112.40を割る水準まで下落したりとやや落ち着かない展開。さてお待ちかねの金曜日の雇用統計。雇用者数の増減は75千の増加予想に対して40千人減と大幅に下回りましたが、インフレ率の行方を占う上で需要な「時間当たり賃金」が前年比2.9%増と予想の2.6%を上回り、失業率も4.4%予想より良い4.2%としっかり内容。市場の反応は利上げ可能性を織込みに行く形で、米国債の金利上昇、ドル円の上昇で反応、一時113.4まで上値を伸ばしました。
しかし、そこでまたしても北朝鮮の登場。10月10日の朝鮮労働党創健記念日の前後にミサイル発射するのではといった憶測が持ち込まれると日米の3連休を前にリスク回避のドル円売りが優勢となり、結局前週末とほぼ変わらない112.65で引けました。
ユーロ・ドルも上値が重い。テクニカルにやや下向きつつあることもさることながら、カタルーニャ州独立を巡る不透明感などから値動きが悪い。1.18台から前週の引け1.195近辺から、ドイツ選挙の結果を受けてメルケル氏が勝利も、政権が不安定化する懸念のため、ズルズルと下値トライ、火曜には一時1.170を下方ブレイク、一旦サポートされるも戻りも鈍く米雇用統計発表後は再び1.167まで下値を探るという展開。北朝鮮の報道後の買戻しで1.1730まで戻して週末を迎えました。
ポンド・ドルも冴えない。Brexitを巡るEUとの交渉が難航しているとの報道から無秩序な離脱が景気不安定を招くとの連想を経てポンド売りへ。1.338から1.306台と大幅な下落となりました。テクニカルにやや下抜け気味のオーストラリアドルもズルズルと下落し、0.783台から0.776台まで下落となりました。
さて、年内利上げをサポートする内容となった雇用統計でドル円に一段の動きが出るかと期待しましたが、北朝鮮の横槍、カタルーニャ州もあり、と脛にリスクオフの傷を抱えつつの航海ですが、景気動向からしますと、順調にいけば年末まではドル高が継続しやすい地合いに見えます。年初来のユーロのロングポジションの溜まりなどテクニカルな要因もやや米ドルフェイバーではないでしょうか。引き続き円やユーロに対して押し目が見られた時に米ドル買が魅力的に見えます。
国内情勢はクロス円に影響与えるか?
日本の選挙動向ですが、党首討論を終えて希望の党がやや支持率を下げた模様です。そもそもそれほど大きな実績のない小池東京都知事を担いでいる寄せ集めの党に見えるので、当然の流れかなという気がします。どちらにしても為替市場に大きな影響は出ないでしょう。
ところで、日本のお家芸であったはずの製造業にまた不正が発覚。神戸製鋼がアルミ・銅製品の一部の強度値のデータ改ざんを行いつつ出荷していたとのこと。データ改ざんは組織ぐるみで10年前から行われていたようです。
トヨタ、スバルの自動車、三菱重工の国産ジェット旅客機「MRJ」、米Boeing、JR東海などへの影響が報道されています。損害賠償の金額も相当額に登る可能性もあり、果たしてどうなるのでしょうか。。東芝や同社のような事象が示唆することは、明らかに日本の製造業の競争力が落ちているということでしょう。無理に利益を挙げようとすることにより粉飾・不正が起こる訳であり、問題が小さなうちに報告しにくい企業文化も一因なのかもしれません。ちょっと日本人として心配です。第一次、第二次産業が儲けないと第三次産業にはお金が回らず、段々と国が地味になってきてしまいますからね。
やっぱり日本売り、円売り??それでは皆様、今週もグッドラック!。
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