FXコラム

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今週の相場観:2017年10月第3週

前週はここ最近の米ドル高に一旦ストップ、スピード調整のドル安となりました。

 

ドル円は112.6近辺からスタート後、10日の北朝鮮労働党の創建記念日が意識されてか、上値が重い展開。雇用統計で付けに行った113.50からの切り返しからダラダラと売られました。米国債の金利低下も手伝い、10日には特にミサイル発射もない中、112ちょうどまで下落。

 

その後もみ合いの展開で112.0-112.5の間をさまよい金曜日のインフレ統計(消費者物価指数)発表を迎えました。

 

アメリカのインフレ率減速は年内利上げに逆風

食品やエネルギー関連を除く物価の上昇率は市場予想の1.8%を下回る1.7%となり、前週の雇用統計における賃金上昇が消費者物価に伝播していないことが確認されると、市場は米国債金利低下と共に一斉に米ドル売りで反応しました。

 

ドル円も指標発表前の112.2円台から111.70近辺まで一気に下落。引けにかけて若干の買戻しもありましたが、111.8円台と節目の112円を下回って週末を迎えました。

 

ユーロ・ドルですが、カタルーニャ州独立問題の緊張がやや緩和したとの見方から底堅い動きとなりました。スペインのラホイ首相は11日、同州政府に対して、独立宣言をしたかを16日までに明らかにし、独立を公式に宣言した場合は19日までに撤回をするよう要求しました。拒否すれば憲法に基づく自治権停止を辞さない考えも示しました。EUもカタルーニャ州独立に反対を表明していることもあり、州政府の立場はかなり微妙なものに。。。

 

ユーロ・ドルは1.173から1.186まで上昇。その後やや売り戻されましたが、1.1820と上昇して引けました。ポンド・ドルは、週明けに鉱工業生産指数が上振れたことを契機に上昇を開始。全般に米ドル安傾向となったこともサポート材料となりました。乱高下を見せたのは12日。

 

英国の欧州連合(EU)離脱を巡る交渉でEU側の交渉責任者バニエル氏が英国がEUに離脱時に支払う金額について「暗礁に乗り上げた」とのコメントが伝わると、ポンドは1.325近辺から1.3125まで一気に下落。しかし、すぐに切り返し結局1.328台と高値で週末を迎えました。オーストラリアドルは、特に材料のない中、じりじり切り返し0.777近辺から0.789近辺と上昇しました。

 

日本では衆議院総選挙が間近

さて、前週は年内の追加利上げ1回をフルに織り込んだ中で、インフレ指標が弱かったことで米ドル高に一旦ストップがかかりました。しかし、年末に向けて、利上げ・税制改革の具体化といった金利上昇要因をもつ米ドルが上値を伸ばす展開がもう一回来るように思いますが、結果はいかに。。

 

日本では、衆院総選挙が近づいています。与党連合の自公が300議席を伺うといった世論調査も出てきています。小池東京都知事の希望の党の支持は急低下。。。まあ、当然の成り行きに見えます。為替市場には影響はないでしょうね。

 

一方で、週末に行われていたG20財務省・中央銀行総裁会議にて、日本は2020年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字に転換するとの国際公約を取り下げました。中期的な財政規律を保ちつつ短期的には財政支出で景気を支えるといった世界に潮流からするとやや逆行した動きです。財政規律を失った国の通貨はどうなるのか。。。小国であるならばとっくに高インフレ、通貨安に見舞われているところでしょう。アルゼンチン、ベネズエラとは経済規模は違えどもその下地があるということです。

 

神戸製鋼、東芝といった企業不祥事に見舞われる中、日本のお家芸であった製造業で外貨を獲得する構造がさらに弱体化した先に日本円の信用失墜、資本流出が待っているような気がします。近年のビットコインを始めとした国に属さない通貨の隆盛は様々な国に対する信用の低下を象徴しているのかもしれませんね。リスク回避の円買いと言われた時代もあったなぁ、と振り返る時が来るかもしれません。。。

 

と、気の長い話をしてしまいましたが、短期的には年末に向けてはもう一回ドル高じゃないかな?という気がします。それでは皆様、今週もグッドラック!。

 

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