前週は、米国の感謝祭祝日で取引参加者が少ない中、米ドル安の流れが継続しました。
ドル円ですが、112.10近辺でスタート後、週初は落ち着きを取り戻した株式市場を手掛かりに、リスクオンのセンチメントから若干ドルが買い戻され112.70近辺まで上昇。
しかし水曜日にはドル売りが再燃。
ドル独歩安の展開に
特にこれといった材料はなかったものの感謝祭祝日を前にしたポジション手仕舞いの動きからドル円は一気に111円前半まで下落しました。米政府による北朝鮮の「テロ支援国家」再認定や黒田日銀総裁の低金利政策の弊害発言などもドル円の動きを鈍くしている一因と思われます。その後は、若干買い戻され111.50近辺で引けました。
ユーロはドイツ連立交渉でひと段落
ユーロ・ドルは上昇。週明けはドイツで「連立交渉決裂」でメルケル首相の支持低下が懸念される中、前週末の1.1790から1.1730まで一気に下落してスタートしました。しかし、ユーロ圏崩壊に繋がるほどのマグマになるとは考えにくく一旦落ち着きを取り戻すと、水曜日からはドル円の下落に歩調を合わせてユーロ・ドルも上昇。
金曜日にはドイツの社会民主党(SPD)党首がメルケル首相との大連立を成立させる可能性を示唆したことを手掛かりに一気に1.194まで上昇。結局1.1930近辺と9月末以来の水準で週末を迎えました。
ポンド・ドルは、特に独自の材料のない中、ユーロの上昇に歩調を合わせて対米ドルで上昇。1.3210から1.3340近辺まで上昇して引けとなりました。豪ドルも同じく0.756近辺から0.762まで上昇して引けました。
波乱の予感があった南ア・ランドは?
市場で話題となっていた南アフリカ・ランド、米格付け機関S&PとMoody’sの財務格付け発表を控えて乱高下に。両機関から格下げとなりますと有名なCiti国債インデックスから除外されることから、通貨売りが大量に出る恐れがありました。
結果はS&Pのみによる格下げとそれほど大きな影響とはなりませんでしたが、格下げは時間の問題との見方も根強く、南ア・ランド円は8.005から7.870近辺まで下落となりました。
トルコ・リラもエルドアン大統領がインフレ率上昇にもかかわらず利上げをしないように中央銀行に圧力をかけていることを背景に、一段の通貨安へ。対米ドルで最安値を更新と、新興国市場でやや不安定な値動きが見られています。
アメリカで「ネットの中立性」が撤廃に?
さて、米国ホリデーシーズン開始に伴い年末商戦の行方が気になるところではあるのですが、「ネット中立性」の話が個人的には目を引きました。
米連邦通信委員会(FCC)がオバマ政権下で定められた「ネット中立性」の規制を撤廃する方針を発表しました。ネットの中立性とは、ユーザー、コンテンツ、アプリケーション、接続装置、通信モードによって差別することなくインターネット上のデータを平等に扱うべきとの考え方です。
これが撤廃となりますと理論的には、大手のインターネット接続業者、米国ではAT&T、Verizon、Comcastなどの企業がコンテンツの内容などの特定の条件に応じて配信スピードを遅くするといった差別化が可能になります。
これは動画配信のNetflixやSNS上に大量のデータ通信を伴うFacebook、Youtubeを持つGoogleといった企業が通信スピードを維持するために上記のAT&Tなどに追加料金を支払わなくてはならない可能性があることを示します。
数々のネット企業によるInnovationが推進されてきた米国の成長を阻害するのでは、といった議論もある一方で、通信大手が大容量データ通信を可能とする設備投資を単独で担わなければならないことは不平等との議論もありました。
今回のトランプ政権の決定は、通信大手を助ける立場に傾いたということになります。長期的な米株式市場の成長が米ドル高、円安をもたらすのでは?と思う投資家にとっては今後フォローしておくべき議論かもしれませんね。
気の長い話は置いておいて、短期的には米年末商戦のスタートダッシュにかかる報道や、北朝鮮を巡る市場センチメントの動きなどに注目でしょうか。
12月利上げが確実視されている米国ですが、年末に向けて取引高も限定的となることから、ややドル円の上値も重くなるかもしれません。長い目で見ればドル円上昇かなとは思いますが、思い切ったポジション構築は難しいかもですね。では皆様今週もグッドラック!
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