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今週の相場観:2017年12月第4週

前週は今年最後のFOMCが開催され、イエレンFRB議長体制の下での最後の利上げが予想通り実施されました。

 

声明文では、労働市場の先行きについて、従来は「幾分の更なる強さ」と表現されていた部分が「強さ」とさらに肯定的に言い換えられ、完全雇用状態への自信が示されました。そのうえ、2018年の実質GDP成長率見通しが従来の2.1%から2.5%へと大幅に引き上げられ、設備投資加速の可能性などが評価されている模様です。

 

一方で、インフレ見通し、及びFOMC参加者による利上げ回数予想(いわゆるドット)の中心値は2018年3回、2019年2回と変化はなかったことから米ドル安材料となりました。

 

FOMC利上げもドル円売りに

ドル円ですが、113.5近辺からスタート後はFOMCを控えて鈍い動きが続きました。

 

12日にはインフレ関連統計の上振れから113.7台まで上昇しましたが、114円乗せに失敗すると下落開始。日本時間木曜日未明には、上記のほぼ予想通りのFOMCを受けて利上げ回数予想が来年4回になるのではとの思惑のあった一部ドル円ロング筋が振り落とされ、112円台半ばまで下落しました。

 

アラバマ州上院の補欠選挙で共和党候補が敗れたことやマルコ・ルビオ上院共和党議員が「子供控除」の拡大を要求し、現行案への反対姿勢を示したこともあり減税法案不成立への懸念が高まったことでドル円は112円割れスレスレまで下落しました。

 

その後、トランプ大統領が法人税率を20%から21%に変更することで歩み寄りの姿勢をみせるなど、共和党内で取りまとめ作業が進んでいるとの観測から若干買い戻され112.60近辺で引けました。

 

ECBの政策金利に伴うユーロ・ドル下落

ユーロ・ドルは、1.1770近辺でスタート後、FOMC前まではやや売られ1.1720まで下落。その後FOMCを受けて一気に1.1820まで上昇しました。

 

木曜日のECBは予想通り政策金利の据え置きを決定。2018、2019年のインフレ見通しは引き上げられましたが、新たに発表された2020年のインフレ見通しが1.7%と引き続き物価目標の2.0%を下回っていたことから、緩和政策の長期化が想定されユーロ売り材料に。一旦1.186を付けるもその後1.1770まで売り戻され、金曜もジリジリと下落。結局1.1750近辺で週末を迎えました。

 

ニュージーランド中央銀行の次期総裁任命でオセアニア通貨に買い

ポンドドルは、1.3390近辺でスタート後FOMC前まではユーロ同様対米ドルで1.330近辺までじり安。FOMCで1.3430まで上昇、BOEの金融政策がノンイベントとなった後は金曜日の切り返しでユーロ土曜下落し1.3320近辺で引けました。

 

オセアニア通貨は買戻し。ニュージーランド中央銀行の次期総裁に任命されたオア氏が市場フレンドリーであることが好感され一週間を通じて上昇を続け、0.685から0.699まで大幅に上昇。オーストラリアドルもつられて、0.750近辺から0.7640台まで上昇しました。

 

来年以降の課題はインフレ率の低迷

さて、年内最後のFOMC、欧州、英国中央銀行とイベントを終え、今年もいよいよ残すところあとわずかとなりました。

 

2017年トランプ政権の下、税制改革・財政政策が大々的に打たれて利上げが予想以上に進むかと思われましたが、実際にはさにあらず。年末の今に至るまで税制改革法案がまとまるかが材料となり続けています。

 

またアマゾンの躍進により小売価格に引き続き下押し圧力が見られます。インフレがなかなか上昇せず結局利上げも2回しか行われないという結果でした。Toys “R” Usの破たんなどもその象徴でしたね。今年は米国を始めとする株式市場の好調の継続から大きなリスクオフとなる局面もなく、過度な円高も見られない年を通してのレンジ相場でした。

 

来年も現在のところ、3回の利上げが予想されているわけですが、インフレ率がどの程度上昇してくるか、また利上げが継続される中で企業業績が好調を保てるのかに注目です。大崩れしなければまずはドル高局面が先行する展開になるのではないかなと予想されます。

 

その後は、地政学リスクなどが気になるところでしょうが、トランプ政権の北朝鮮に対する挑発的な態度、中東を巡る問題と、何をきっかけにグローバルにリスクオフの展開になるか正直全く読めない状況です。引き続きポジションは軽めにして、来年の世界経済をじっくり考えてみるのはいかがでしょう?

 

それでは皆様今週もグッドラック!。

 

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