FXコラム

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今週の相場観:2017年12月第5週

前週は、注目の米税制改革により、上下する展開でした。

 

おおむね法案通過への期待感もあり、株式市場を始めとするリスク資産は堅調。為替市場でもドル円、その他クロス円ともに幅広い上昇が見られました。

 

全面上昇な為替市場

ドル円ですが、112.60近辺でスタート後、強めの米住宅指標や、税制改革法案の議論の進捗を横目にじり高の展開でした。ほぼ上院・下院のすり合わせが完了したようで、クリスマス前にトランプ大統領が署名との観測が市場で流れた木曜日に113.6台まで上昇しました。その後はクリスマス休暇を控えて閑散となる中、ポジション調整か小幅に売られて113.30近辺で週末を向けました。

 

ユーロドルは、特に大きな材料もない中、ユーロ円の上昇につられる形で木曜日までじり高の展開。1.1750近辺からスタートし一時1.1900を付けました。その後は、やや利益確定の売りが出たことや、カタルーニャ州議会選挙で同州の独立支持派の3党が過半数を占めたことから政治的不透明感が意識され1.1860近辺まで売られて引けました。

 

ポンドドルは、1.3320近辺からスタート後、ユーロ同様にポンド円の上昇を支えに上値を目指すもBrexitへの不透明感もあり1.3420近辺が上値を抑えられました。結局1.3360と小幅高に留まりました。オーストラリアドルも堅調を維持。0.7640台から一貫してじり高の展開になり、0.7710近辺で引けました。

 

新興国通貨には大きな値動きが見られました。メキシコでは、与党・制度的革命党(PRI)が絡んだ選挙資金スキャンダルに対する汚職捜査が拡大。メキシコペソは対ドルで19.1175から19.7498と3%を超える下落となりました。

 

一方で、長年経済成長や改革にとってネガティブとされてきたズマ大統領政権下にあった南アフリカですが、同じく与党アフリカ民族会議(ANC)所属のラマポーサ副大統領が次期党首に選出され、政治改革への期待感から対米ドルで13.099から12.621と3%を超える上昇となりました。

 

米税制改革で株式市場が堅調に

さて、紆余曲折を経て大統領署名までこぎつけた米国の大幅税制改革。連邦法人税を35%から21%へと大幅に引き下げ、設備投資の即時償却を可能にする節税効果などを織込み今後10年間で1.5兆ドルという大幅な減税となりました。

 

また海外に滞留されている米企業保有の資金が米国に還流するための税制メリットも盛り込まれており、全体的に米株式市場が堅調に推移するのではとの期待を抱かせる内容となりました。

 

一方で、医療保険制度改革法(オバマケア)を一部廃止するなど、高所得者層に有利との声も聞こえています。中間選挙に向けて中間層・リベラル層の支持を集めるために今後何らかの政策が必要では、との観測も出ています。

 

でも、共和党政権ですから基本的には企業・高所得者層に有利な政策になるのも自然な流れに思え、個人的には特に違和感はありません。

 

来年の経済に関わるテーマ

来年の大きなテーマは引き続き米インフレ動向でしょうか。現在は3回の利上げが予想されているわけですが、それが景気動向次第で4回になるような方向にインフレが上昇してくるのかがドル円上昇のカギとなりそうです。

 

一方で、日本サイドからも黒田日銀総裁からしばしば発せられる「リバーサルレート」理論が気になります。理論というには程遠いですが、低金利の行き過ぎが及ぼす経済への弊害も頭に置いておくべきとのロジックです。実際に現在のマイナス金利政策を反転させるような動きがあれば、かなり円高に振れるリスクもあるわけで、こちらも要注意ですね。

 

その他、中国経済の行く末、政治、地政学リスク、とグローバル経済へのリスク要因を考えると枚挙に暇がないですが、重要なのはポジション運営方針ということは毎年同じですので、どんな状況にも柔軟に対応していける2018年にしていきましょう~。

 

それでは皆様今週、そして来年もグッドラック!

 

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