おはようございます。2017年2月第2週のマーケットのおさらいと今週の概観をお届けします。
まずは先週のおさらいから始めてみたいと思います。
先週は、米ドルが対主要通貨で強く推移した週でした。
寝耳の水のトランプ発言
米ドル円は、日米首脳会談を控えてアメリカ側から米ドル高を懸念する発言がなされる可能性もあり、神経質な展開が予想されました。しかし、トランプ大統領が「2、3週間以内に税制について驚くべき!(Phenomenal!) な発表をする」と発言するやダウ、S&P500、Nasdaqといった主要株価指数が再び史上最高値を更新。リスクオンの円安となりました。
加えて、日米首脳会談前に「自動車問題について確実に議題になる。為替問題については最重要課題ではないが議論されるかも」といったトランプ大統領の発言が出て、円高圧力は緩まりました。この日、米ドル円は112.6台から113.2台まで小幅の円安となったわけです。
スキャンダルに揺れる仏大統領選
ユーロでは、フランス大統領選挙の動向が嫌気されて週を通じて下落基調でした。
中道・右派の有料候補フィヨン元首相が妻に勤務実績がないにも関わらず多額の給与を与えていた、との公金横領疑惑、
中道・無党派の有力候補マクロン前経済相には同性愛者との不倫疑惑、
などが報道され、ユーロ離脱を唱える右派政党・国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首が4月の大統領選挙で当選するリスクが嫌気された格好。度重なる中道派のスキャンダルに、一部ではユーロの国際的地位没落を望むロシアの陰謀との噂も。。。
結果、ユーロドルは1.078台から1.064台まで下落しました。
米中の緊張緩和か
さて、トランプの対中外交で一つ大きな動きが。9日に行われた習近平国家主席との電話会談において「一つの中国」政策を確認したと発表。台湾問題は両大国の緊張を高めかねない要因であったため、この発表を受けてアジア経済への不安が若干後退。中国との貿易が大きい豪ドルは、主要通貨が対米ドルで下落する中、ほぼ横ばいを維持する展開となりました。
上手くいった首脳会談
日米首脳会談ですが、両首脳は日米同盟をさらに強化する決意を表明。対中国や北朝鮮向けの態勢を考慮すれば、アメリカは日本と争う利点は少なく、安保政策においても協力を継続というのは納得の内容。経済に関しては、日本の政府筋の情報ですと、トランプ氏は日本企業のアメリカ国内での自動車生産を評価したとされており、今後の貿易、為替など具体的な話し合いは財務省間で継続に留まりました。懸念されていた急速な円高圧力は若干後退するものと思われます。
今週のスケジュール
今週は、14、15日に予定されているイエレンFRB議長の議会証言で3月利上げについて何らかの言及があるか、前週に報じられたトランプ政権による減税政策の具体案が出てくるか、といったところがポイントとなります。
現在の為替市場では、3月の利上げはほぼ無しとのコンセンサスになっていますので、日米会談で円安懸念が出なかったこととあわせて考えますと、どちらかといえばドル高円安に動きやすい地合いかもしれません。
しかし、引き続き、トランプ政権からの一つの政策発表、報道でガラリと市場の雰囲気が変わってしまう相場環境ですので、リスクの取り過ぎには注意ですね!では皆様、グッドラック!
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