前週は、大きな材料がない中、米ドルが円や新興国通貨に対して軟調に推移。ユーロもフランスの大統領選挙候補を巡るヘッドラインを受けて軟調となりました。
今日と明日で2月は終わりますが、今回もマーケット情報をお送りします。まずは前週のおさらいから。
”行って来い”だったドル円相場
米ドル円ですが、週前半はフィラデルフィア連銀ハーカー総裁の「3月利上げの可能性を排除しない」などのコメントを受けて上昇基調となり、112円後半から113円後半まで上値を伸ばしました。
しかし、1月末に開催されたFOMCの議事録にて、次回の利上げ時期について「比較的すぐに(Fairly Soon)」と述べるにとどまり、3月会合での利上げ検討を強く示唆するには至らなかったため、ドル円は下落基調へと転じました。一時は112円を割り込み、112円台前半で週末を迎えました。
政治的不透明感続くユーロ圏
ユーロですが、引き続き政治的不透明感から軟調推移でした。
5月7日にもつれ込むと見られるフランス大統領選の決選投票に関する最近の世論調査では、反ユーロのルペン氏がライバル候補を追い上げており、投資家の間では可能性が低いとされつつも、昨年のBrexitのような強烈な通貨安に対する懸念からユーロへの下押し圧力は根強く、1.06台前半から1.05台半ばまで下落して週末を迎えました。
通貨高続く新興国
また前週はメキシコ・ペソ、韓国ウォン、南アフリカランドといった新興国通貨の強さが目立ちました。
メキシコ・ペソに関しては、メキシコ中銀がペソ安抑制のための新たな介入方式を発表したことが大幅なペソ高の要因となりましたが、その他の新興国通貨高についてはやはり、米国の利上げは今年2回にとどまるとの見方や、新興国の経済成長が底を打って上向いてるという見方が強まっているということなのか、今後の値動きに注目です。
さて長期ストーリーに目をやりますと、ムニューチン新財務長官が、就任後初めて、明確に「強いドル政策」の支持を打ち出し、昨年末以降のドル高について、「ドル高の大部分は、先行き4年間のトランプ政権及び景気見通しに対する信頼感の表れだ」と、ドル高に対して前向きの解釈を前面に打ち出しました。
市場では、新財務長官の通貨へのスタンスについてどっちつかずとの評価が根強かったのですが、今回の発言でトランプ新政権が輸出を伸ばすためにドル安政策を採るのではとの懸念は幾分後退したと考えられます。
今週はコアCPE デフレーターや、製造業、非製造業ISMなどの指標が発表されます。現在の市場の見方は3月の利上げはナシに傾いていますので、インフレ率の上昇や米景気の力強さを示唆する結果が見られれば、早期利上げ観測が盛り上がりやすい環境となり、やや米ドルが上昇しやすい展開ではないでしょうか。
また今週は、トランプ大統領の施政方針演説で、新たな材料が提供されるかに注目です。財政拡大、減税政策について多少なりとも具体的な話が出てくれば一段のドル高が進行する可能性にも要注意です。では皆様グッドラック!
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