前週は、にわかに3月FOMCでの利上げ観測が高まる中、米ドルが多くの通貨に対して上昇するという展開となりました。
今週は10日(金)に米国雇用統計の発表がありますね。3月利上げをサポートする内容になるのかどうか、要注目です。
それではまずは先週のおさらいから始めてみましょう。
3月利上げの足場固めをするFRB関係者
米ドル円に関しては、週の頭からFED高官による3月利上げ肯定発言を受けてジリジリとドル高となりました。ダメ押しとなったのは、金曜日のFRBイエレン総裁の講演。
「雇用とインフレが我々の予想に沿って推移しているかどうかを検証する」
「引き続き進展していれば政策金利の一段の調整が適切となる公算が高い」
などと発言し、3月利上げを示唆しました。同日のフィッシャー副総裁も「利上げ支持」と、ほぼ3月利上げ確実の状況となっています。
これを受けてドル円は114.70台まで上昇後、出尽くし感から114円近辺まで調整し、週末を迎えました。
米ドル高が進む他国通貨
ユーロドルは、週中盤まで米ドル高トレンドを受けて、1.056台でスタート後、一時1.05を割り込む水準まで下落しました。しかし金曜日、中道・独立派のマクロン氏が仏大統領選の世論調査で一位となると、極右のマリーヌ・ル・ペン候補が当選によるユーロ離脱の可能性が低下、とのトークで一気に買い戻され1.062台まで上昇しました。
新興国通貨に対しても総じて米ドル高でしたが、米商務長官のウィルバーロス氏の「NAFTA(北大西洋条約機構)の交渉がまとまれば、ペソは大きく戻すだろう」との発言からメキシコ・ぺソは大幅上昇となりました。
3月利上げは本当に起こるのか?
さてさて、なんとも唐突感はあるものの、FED高官による3月利上げ発言のオンパレードです。平均時給もいまだにそれほど高くないですし、インフレもそこそこな現状からすると今年の利上げは2回でいいのでは??と個人的には思うのですが、皆さんはどう思いますか?
冒頭で書いたように、今週金曜日は雇用統計の発表となります。3月利上げが確実視される中、市場への影響は比較的軽微にとどまるのでは、と個人的には見ています。
トランプ大統領の施政方針演説は特別に目新しい材料がなかったものの、あまり変な事を言わなかった(!?)という理由で、米ドル、株式ともに買いが進んでいます。ですが、何があっても買われ続けている足元の米国株式市場への警戒感、3月のオランダ総選挙、4、5月の仏大統領選といった政治イベント、北朝鮮を巡る地政学的リスクなど、情勢は不透明となっています。何かが起こった時に利上げが出来なくなる状況へのバッファーとして一回でも良いから利上げをしておきたい、というのがFRBの本音ではないでしょうか。
利上げ継続による米ドル高をメインシナリオとしつつ 、何かが起きて利上げ観測後退となるリスクに注意して(難しいですけど!)ポジショニングということで良いのではないでしょうか。それでは今週もグッドラック!
■No.1海外FX業者 XM
XMの会社詳細はこちら