先週の米国雇用統計は、ちょっと拍子抜けな展開でしたね。どうやら、相場の期待が高まりすぎてしまったようです。
さて、今回もマーケット情報についておさらいと今後の流について解説します。
雇用統計前に115円を上抜けたドル円
前週も、堅調な経済指標の発表と今週のFOMCでの利上げ実施が見込まれる米ドルが堅調に推移しました。米ドル円は114円台前半からスタートし、水曜日に発表されたADP社発表の雇用者数が大幅に市場予想を上回ったことで、114円台後半まで上昇。その後金曜日の雇用統計に向けたポジション調整から再度114円台前半まで調整して引けました。
木曜日からは再度、金曜日の雇用統計発表に向けて、ドル高を期待する買いが集まり始め、115円半ばまで上昇しました。そしてお待ちかねの雇用統計ですが、雇用者数の増加は235千人と市場予想の200千人を上回り堅調な結果、失業率も4.8%から4.7%へ低下と悪くない内容です。ただ時給の伸び率に関しては、年率2.8%と上向いて来てはいますが、そこまで力強くはないという印象でしょうか。
水曜日のADPで期待が高まり過ぎていたせいもあり、発表直後115.5にトライするも失速し、結局114.8まで下落して週末を迎えました。
大きな動きがなかったユーロ
ユーロドルは、対ドルで小幅上昇して週末を迎えました。1.06前半からスタートし、ドル円と同じく水曜日まではダラダラとユーロドル安となり、1.053台まで売り込まれました。しかし、木曜日のECBで金融政策は予想通りの据え置きでしたが、その後の記者会見で現状からの一段の金融緩和については言及がなかったことからユーロが買い戻される展開となりました。米雇用統計後は行き過ぎた期待から全般に米ドル安となる中、ユーロドルは大幅に上昇、1.07直前まで上昇し、1.067台まで調整して週末を迎えました。
オセアニア通貨も対ドルで軟調推移でした。直接の関係はないのですが、市場では足元の米ドル高を受けた原油価格の下落が、ニュージーランド・ドルなど今年に入って好調だった通貨の重石となったとのトークも聞かれました。同通貨は、2月末から対ドル で4%弱下落しています。オーストラリアドル同様、今後とも動向に注目です。
今週はFOMCと仏蘭の選挙に注目
さて、今週はFOMCが開かれます。
利上げがほぼ完全に織り込まれていることから、注目は声明文の内容と将来の政策金利のパスを示すDots(いわゆるドット)という文書でしょう。イエレン総裁自身はそれほどタカ派でないと考えられるため、声明文の内容がそれほど早期の利上げに対して前向きな内容となるとは思いませんが、Dotsに関しては、年4回利上げを示唆する理事が多くなっていることを示す結果となる可能性があります。
いずれにせよ3月を含めて年内3,4回の利上げが見込まれる米ドルの堅調な推移を予想しています。
大きな動きを見せる可能性はあるのはユーロ圏でしょうか。
今週からオランダの総選挙が始まり、4月にはフランス大統領選挙を控えているわけですが、今のところ極右政党の勢力拡大がやや抑制されているように見えます。政治的なイベントを無難に乗り切り、今後の追加緩和の可能性が低く、緩和縮小との方向性が出てくればユーロが急上昇する展開も年内見られるかもしれません。
日本の緩和縮小はもっと先になりそうですのでドル円の下値は底堅いと思われます。ただ、米株式市場の上値も徐々に重くなってきていますので、自律的な調整、リスクオフ相場が一旦は来るかもしてないという心構えの方が大火傷しなくて済みそうな気がします。
ではまずはFOMCの利上げに対する情熱の度合いを探りましょう!では皆様グッドラック!
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