FXコラム

マーケット情報

今週の相場観:2017年3月第4週

こんにちは。3連休皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか?

 

3連休前の金曜夜からまさかの円高展開が始まり、気が休まりませんでした(苦笑)。これからの相場は一体どうなるのでしょうか。。

 

今回もマーケット情報をご紹介します。まずは、前週のおさらいから始めていきましょう

 

FOMC利上げ実現も、利上げペース維持で失望売り

前週は、FOMCの結果を受けて米ドル下落の展開となりました。

 

FOMC前までは、「年内の利上げが3月の会合を含めて4回になるのでは」との憶測もあり、ややドル高で推移していました。114.8近辺でからスタートし、米国国債の金利上昇と共に米ドル円も再び115円を上回る局面も見られました。FOMCでは、市場予想通り0.25%の利上げが発表されましたが、前回コメントでも触れました政策委員の将来の政策金利パスを示すDots(いわゆるドット)チャートで、年内の利上げ回数について3回を考えている委員が優勢ということが示され、一部で警戒されていた年4回利上げのが剥落。為替市場では米ドル売りが優勢となりました。

 

その後のイエレン総裁の記者会見においても、米経済は堅調に推移しているとしながらも、利上げのペースについて特段急ぐ様子も見せず、従来の緩やかペースでの利上げが示唆されたため米、ドルは一段と下げる展開となりました。結局米ドル円は112.7近辺まで下落して週末を迎えました。

 

オランダ下院選挙受け、ポピュリズム後退を好感

ユーロについては、FOMCの結果を受けて米ドルが軟調に推移したことや、注目のオランダ下院選挙にて極右・自由党の敗北で、来月に控えるフランス大統領選挙始めとして欧州政治におけるポピュリズム(大衆迎合主義)拡大への懸念が緩和されたことが下支えとなり、1.067台から1.074付近まで上値を伸ばしました。また、イングランド銀行は政策金利を据え置きましたが、委員の一人が利上げを提案したことや議事録の内容から、早期の利上げの可能性が示唆されたことで英ポンドも対米ドルで1.217近辺から1.239まで上昇となりました。 

 

G20の存在意義が希薄か

さて、前週末にドイツで行われた20ヶ国・地域の財務省、中央銀行総裁会議いわゆるG20ですが、初登場のムニューチン米財務長官は会見にて「自由で公正な均衡のとれた貿易が重要」と米国第一主義のトランプ政権の意向に沿った貿易観を披露しました。その影響からか、G20の声明からは決まり文句の「反保護主義」が姿を消す結果となり、今後の世界貿易が単純なグローバル化・自由貿易主義から、2国間協議やASEAN対NAFTAといった経済圏同士の協議によって関税などが定められるより複雑な構造へと転換していく方向が改めて示されました。

 

基本的には米国の貿易赤字を是正する方向へ持って行きたいという意向ですので、ドル高牽制姿勢と言えるでしょう。一方で、「強いドルは長期的には重要」との発言も繰り返しているため、全体としては長期的には中立、米国の貿易収支が改善されるまで過度な米ドル高を牽制といったニュアンスでしょうか。引き続きトランプ政権の通商政策が為替市場へ与える影響には注意が必要でしょう。

 

今後のFOMCによる利上げ見通しについては 6月、12月説と9月、12月説で見方が分かれていますが、若干9月、12月説が優良な模様です。しかし、経済指標の上振れや株式市場の上昇が継続すれば、6月利上げ説が出てくるのが市場の常。通商問題などで米ドル高牽制が聞かれて一時的に米ドル安となっても、長期的には利上げ方向の議論が出やすいため米ドル高シナリオに備えておくのが無難と思われます。それでは皆様、グッドラック!!

 

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