FXコラム

マーケット情報

今週の相場観:2017年3月第5週

今週は東京時間でドル円が下がる展開から始まりましたね。今週はヨーロッパで重要イベントがあり、アメリカでは金融当局者の講演が相次ぐ重要な一週間と言えます。

 

まずは、前週のおさらいから始めていきましょう。

 

トランプ政権運営への不安視がドル安へ

前週も、3月15日のFOMCにて「年内の追加利上げがあと2回」との見方が優勢となったことによるドル安トレンドが継続しました。米ドル円ですが、112.7近辺からスタート。週初より米国国債の金利低下や米株式市場の下落などを受けて下げ足を早め、水曜日には110.7近辺まで下落。年初来の安値を更新しました。

 

木曜日には、トランプ政権が掲げる医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の採決が延期されるなど、政権運営への不安感も手伝い、一時110.6までじり安となりました。金曜日には議会下院の共和党指導部は十分な票数を確保できなかったとして、オバマケア代替法案を撤回。出尽くし感から買い戻され111.30近辺で週末を迎えました。

 

今週、イギリスでリスボン条約発動か

ユーロも対ドルで上昇傾向となりました。注目のフランス大統領選挙にかかる討論会で、ユーロ離脱を唱える極右のルペン候補が集中砲火を浴び、受け身に回る場面も見られ、世論調査でもルペン候補の支持率低下が確認され、ユーロ瓦解シナリオの低下と共にユーロ買いが優勢。1.074台からスタートし1.08まで上昇しました。

 

ポンドも対米ドルで上昇、週初こそ3月末までに正式にユーロ離脱をアナウンスし、リスボン条約50条が発動されるとの見方から下落しましたが、その後市場全般の米ドル安傾向や割安感からポンド買いが入り、結局1.239から1.247まで上値を伸ばしました。 

 

トランプ政権への不安が株式市場にも飛び火

さて、足元、年初来好調を維持してきた米株式市場が変調をきたしているように見えます。やはり根底にあるのはトランプ政権の運営を巡る不透明感ということでしょう。先週のオバマケア代替法案の採決を巡るドタバタ劇は市場関係者を不安にさせるのに十分な材料だったように思えます。今回は結局採決も取らず法案を撤回という幕切れでしたが、税制改革で今回と同じような結末は避けなければなりません。

 

ここまで米株式市場を牽引しているのは、トランプ大統領が主張してきた税制改革や大規模インフラ投資への期待です。これらに関する法案が議会とホワイトハウスの連携不足で今回のような結末を迎えるとすると、大きな失望感に繋がり、世界的な株安にまで発展するリスクも頭の片隅に置いていた方が良いでしょう。

 

また、石油サービスのベーカーヒューズ社が24日に公表したデータによると、米国内で稼働中のリグ(掘削機)は前週比で20基増加し、現在809基。前年の345基から大幅に上昇しています。原油価格の値動きは、OPEC減産にも関わらず米国の生産増加観測から不冴えとなっており、エネルギーセクターの株価全般の下押し要因となっています。原油価格の一段の下落はインフレ率期待の低下につながり、FOMCの利上げ観測が弱まるという観測につながる恐れがあります。そのため、中期的な米ドル高シナリオは維持しつつも、「思わぬ米ドル安局面が年内に来るかも!?」といった”頭の体操”もしておきましょう!

 

では皆様グッドラック!

 

■初めて海外FXをするならここ! XM
XMの口座開設はこちら