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今週の相場観:2017年5月第4週

こんにちは。米国方面が非常にきな臭くなってきました。

 

米国大統領選直後から、「(トランプ氏で)上手くいくわけないって!」という声が出ていましたが、実際にトランプ氏を大統領に選んだアメリカ人たちは何を思っているのでしょうか?

 

ドル全面安となった一週間

前週は、市場全般に米ドル安の展開となりました。

 

ドル円は113.3近辺でオープン後、米国債の金利上昇に連れて114円手前まで上値を伸ばしました。しかし、住宅関連の市場が弱かったことや、トランプ大統領がロシアとの癒着疑惑を巡るフリン元補佐官の捜査を止めるよう、コミーFBI長官に圧力をかけたとされる問題が、「トランプ辞任」のリスクも含め大きく懸念され、市場はリスクオフの展開。ドル円は113円台から一気に111円を割り込み、木曜日のロンドン時間には一時110円20台まで下落しました。その後、大統領弾劾と辞任は、議会下院で過半数、上院で3分の2の賛成が必要と実現可能性は低いとの見方から若干買い戻され、111円26近辺で週末を迎えました。

 

ユーロドルも市場全般にドル安となる中、大きく上値を伸ばしました。1.093台でスタート後、水曜日の米ドル安を受けて、投機筋の間にユーロ・ロングのポジションを積み上げる動きが急速に広がり1.110をブレイクしました。また金曜日には、ドイツ紙シュピーゲルにて、ドイツ政府首脳がドラギECB(欧州中央銀行)総裁の後任にドイツ人を据えたい、との考えが記事として発表され、今後のECBの政策がタカ派に傾くとの思惑が一段とユーロを押し上げ、1.1205近辺まで上昇して週末を迎えました。

 

ポンドドルも米ドル安を受けて、1.289から節目の1.300をブレイク。1.3035近辺まで上値を伸ばしました。新興国通貨では、ブラジルのテメル大統領が汚職事件の捜査妨害に関与との疑いが浮上。政治の混乱と共に年金改革の頓挫や財政再建の遅れが嫌気され、ブラジルレアルは木曜日に対米ドルで7%を超える下落となりました。週間通算でも4%を超える下落でした。

 

ウォーターゲート事件の再来なるか?

さて、経済のファンダメンタルズに大きな変化がない中、トランプ政権が騒がしくなっています。

 

ニクソン大統領が自らの不法行為との関係を捜査していた特別検察官を解任し、司法長官と司法副長官を辞任させたウォーターゲート事件にちなんで、「ロシアゲート」という言葉も飛び出しています。9日に解任されたコミー元FBI長官が米上院公聴会で5月29日のメモリアルデー祝日以降に証言する予定であり、予断を許さない展開です。

 

普通に考えれば6月のFOMCでは粛々と利上げが実施され、ドル高の地合いに回帰するという展開をメインシナリオとしたいところですが、政治関連の報道で一気に流れが変わってしまう可能性が高いため、ポジション量には注意です。また週末に北朝鮮が弾頭ミサイルを発射との報道もあり、引き続き地政学リスクは燻っている点も要注意でしょう。

 

今週は25日にウィーンにてOPEC(石油輸出国機構)の定時総会が開催されます。OPECとロシアなどの非加盟国による減産は6月末までの予定。サウジアラビアとロシアは来年3月末までの延長ですでに合意しており、他の産油国が足並みを揃えられるかに注目です。市場では減産規模の拡大観測も出ています。ただ、OPEC加盟国などが生産を減らすほど、協調減産に不参加の米国が市場シェアを拡大する構図であり判断は難しいところ。政治に振り回されてしまい、難しい状況になっていますね!それでは皆様今週も、グッドラック!

 

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