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今週の相場観:2017年6月第5週

前週は、目ぼしい経済指標の発表もない中、為替市場全般にボラティリティの低い(値動きが小さい)静かな展開でした。

 

さっそく、この一週間の動きをおさらいしてみましょう。

 

要人発言に振り回されたドル円

ドル円は、110.9近辺でスタート。月曜日にダドリーNY連銀総裁が賃金の上昇率について楽観的な見通しを示したことや、同日にアルゼンチンの100年債を含めて米社債市場で多くの起債が見られたことも重なり米金利が上昇。ドル円は111.60近辺まで一気に買われました。しかし、その後は大きな材料もなく、週末に向けて金利がジリジリと低下したことに歩調を合わせてドル円も111.30近辺まで下げ、小幅のドル高円安となりました。

 

ユーロ・ドルですが、こちらも値動きは鈍い展開。1.120近辺からスタートし、月曜日は上記の米金利上昇を受けて1.115近辺まで下落。その後は週末に向けて買戻される展開となり、週初めとほぼ変わらない1.119台で引けました。ポンド・ドルは、1.278台からスタートし、火曜日に動きありました。6月15日に開催されたイングランド中央銀行による金融政策会合で、利上げ票が3票入ったことから利上げ観測も持ち上がって以来、若干ポンド高の展開でした。しかし、火曜日にカーニー総裁が講演にて、「インフレ率の上昇基調は弱く、利上げの時期ではない」とはっきりとハト派のコメント。ポンド・ドルは一気に1.263近辺まで下落しました。その後は、週末に向けてドル安となったことや一部ではやはり利上げもとの観測から若干買い戻され、1.272近辺と若干ポンド安で引けました。

 

オーストラリア・ドルは足元の上昇を若干戻すポジション調整の動きで、0.762から0.757近辺と若干下落、カナダ・ドル早期の利上げ観測から足元上昇していましたが、引き続き軟調な原油価格が重石となり、1.321台から1.327近辺まで下落して週末を迎えました。

 

FOMCの想定通りに動かない現実

さて、米国の金融政策の見方が揺れています。インフレ率や賃金上昇率が実際に起こってくるという前提で、「利上げを緩やかに継続、そしてバランスシートを縮小」というのがFOMCから発せられているというのがメインメッセージです。しかし一方で、ドル円と連動しやすい米10年金利などはなかなか上昇しません。つまり、市場はインフレ率がそれほど上昇しないと見ているようです。足元のインフレ率の低下をもたらしている要因としては、以下の出来事が考えられます。

 

・価格競争圧力からAT&Tやベライゾンといった大手企業がデータ無制限プランを導入したことによる携帯料金の低下、
・大量の供給により価格低下がみられる中古車市場(こちらは頭打ちとなっている新車販売とも整合的。)
・Amazonなどオンライン小売からの価格低下圧力、
・シェール企業の増産によるオイル価格低下

 

これらが一時的なものなのか構造的なものなのかを考えることが、インフレ率の見通し、金融政策を考える上で重要ということかもしれませんが、どうでしょうか?

 

携帯の価格は一旦下がるところまで下がれば、影響は一時的。中古車も供給が止まれば一応下げ止まるでしょう(しかし自動車企業がおとなしく生産調整をするかは疑問)。オンライン商取引の台頭による価格低下圧力は構造的で息の長い話であり、今後はWhole Foods買収で食品にも伝播の可能性もあります。シェール企業による効率性の改善・増産も構造的。米国が大量消費社会であることを考えると、やっばりAmazonの影響って大きいかなとも見えますね。

 

トランプ政権の財政政策もなかなか具体的に見えてきませんし、今後1年ってことで見るとなかなかインフレも上がらず、積極的な利上げ、ドーンとドル高とはならないかもなーとも見えます。あとは、他の日欧英といった主要国の金融政策との比較感ですね。今週もイベントは乏しいですが、四半期末です。良くわからないポジション調整が起きやすい時期ですので、巻き込まれないように注意!今週もグッドラック!

 

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