先週までは雨模様が続いていましたが、今週は久しぶりに夏らしい気候が戻ってくるようです。
為替相場は天気とは違い、今日も色んな要因が重なってまだまだ大荒れ状態が続いてます。
さて前週は、バケーションシーズン真っ只中で米朝の緊張が高まっていることもあり、主要通貨は動きの鈍い相場でした。
人種問題という新たなリスク要因が
ドル円ですが、109.20近辺でスタート後の週前半は、先週来上値を抑えていた北朝鮮を巡る情勢について、ティラーソン米国務長官から「米国は北朝鮮との対話に引き続き関心がある」との発言が聞かれたことや、小売売上統計が良好な結果となったことでリスクオンモードとなり上昇。火曜日に110.90近辺まで上値を伸ばしました。
水曜日も111円を伺う値動きでしたが、FOMCの議事録においてインフレ率の低下を警戒するトーンが見られたことや、バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派の衝突に対するトランプ大統領の発言が人種差別擁護と解釈されたことが波紋となり、企業のCEOらが差別反対支持から経済諮問委員会からこぞって離脱といったニュースを受けてドル円は下落を開始。
トランプ米大統領の政権維持への懸念、スペインのバルセロナでのテロなども手伝い、金曜日には一時108.6近辺まで下落しました。その後、大統領の最側近ではあったものの、移民排斥、保護貿易など「米国第一主義」を強く推進するゆえ、穏健派との対立も伝えられていたバノン主席戦略官の解任が伝えられると、市場は政権の極度の右翼化に歯止めが係るとの思惑からリスクオンで反応。ドル円も前週末と同じ109.20近辺まで買い戻されて引けました。
ユーロドルは、1.182近辺でスタート後、週初は北朝鮮リスクの緩和観測によるドル買戻し一辺で、火曜には一時1.1700割れまで下落。トランプ政権のゴタゴタを材料に木曜には再び1.178台まで買い戻されるも、ECB当局からのユーロ高警戒の報道を受けて再度1.170割れまで下落。じりっと買い戻されましたが、前週末比で小幅下落の1.1760近辺で週末を迎えました。
ポンドドルは、1.3010からスタート後、週初のドル高や、火曜日のインフレ統計が市場予想を下回ったことで1.2870近辺まで大幅に下落しました。その後は大きな動きもなくそのまま1.2870近辺で引け。豪ドルは0.789近辺からスタートし、週初は他の通貨同様に対米ドルで下落しましたが、水曜日の雇用統計が好調な内容であったことから全般に買い戻され0.7930近辺で引けました。
トランプ政権は四面楚歌の様相
さて、米トランプ政権を巡る騒動が続いています。人種差別問題においても、その発言に大きな疑問符が投げかけれる中、側近のバノン氏の解任となかなか落ち着きを見せません。これでは、財政政策や税制改革といった難題は元より、特に問題なしと考えられていた米債務上限の引き上げについてすら議論が難航するのでは?との観測も出ており、急速なリスクオフを常に頭においておかなくてはいけない相場展開となりそうです。
少し話は変わりますが、またまたアマゾンの被害者(?)が増えたようです。靴専門店の大手 Foot Lockerが不調な決算を発表、見通しも厳しい。。 Nikeの安いモデルがアマゾンで売られ始めたことが悪影響となっているとコメントしています。
現在のところ、ハイエンドのモデルはアマゾンで販売されてはいないが、不透明感は強くなっています。その他、自動車部品関連の小売りのAdvanced Auto Partsも冴えない決算を背景に大幅に下落中。カテゴリーキラーをさたに叩くアマゾンの影響恐るべし!引き続き、インフレ率への下押し圧力は構造的と言えるでしょう。
政権の不安定さも考慮すると、積極的に米国が利上げを出来る環境はいまだ整わずということかもですね。ドル安に備えるべきなのか、それでもやっぱり日本よりはインフレが高そうなので利上げ期待を背景にドル円を買うべきなのか、判断がつきにくいところです。相場は今週もスローだと思われますので、じっくり考えましょう。それでは皆様、今週もグッドラック!
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