9月になり、少しずつですが肌寒さが感じられるようになってきました。年々、秋が短くなって来ていると思うのですが、これから紅葉などが楽しみですね。
さて、前週は雇用統計ウィークでしたね。週前半は、北朝鮮がミサイル発射との報道からリスク回避の円高が進行しました。そこから徐々に金曜日の米雇用統計、ISM製造業へ向けたポジション調整をこなし、経済指標へ突入といった相場でした。
各通貨については以下でおさらいしましょう。
期待外れの雇用統計
まずはドル円。ドル円は、109.30近辺でスタート後、月曜日は静かな動きでした。火曜日の東京時間早朝に北朝鮮がミサイル発射との報道で再度4月につけた今年の安値108.13を伺う108.30割れまで下落。その後米株式市場がリスク回避の下落とはならず、持ちこたえたことが好感されドル円も徐々に切り返し。木曜日には110.70近辺まで上昇しました。
そして金曜日の雇用統計!結果は15.6万人の雇用増と市場の18万人増の予想を下回る結果。また、インフレ率の行く末を測る上で重要な平均時給の伸びは年率2.5%とこちらも予想の2.6%を下回る内容。。。市場は一旦ドル売りで反応し、ドル円は発表前の110.20近辺から109.60まで下落。しかし、まだ12月利上げ説を覆すほどの悪化ではないとの見方が徐々に優勢となり、行って来いの展開。その後に発表されたISM製造業指数が良好な結果となったこともあり、結局は110.25まで戻し前週比円安で引けました。
ユーロ・ドルは、1.1930近辺からスタート後、北朝鮮のミサイル発射報道を受けたドル円の下落に歩調を合わせる形で火曜日に大台となる1.2000を突破。1.2070まで上値を伸ばしました。しかし、その後は失速しNYの引け値ベースでは1.2000台を維持出来ませんでした。年初来ほぼ一本調子で上昇してきたこともあり、ロング派の達成感が出てくる頃合いでしょうか。
当局者からのユーロ高警戒発言も聞かれ、やや上値重い展開で雇用統計を迎えました。発表直後は1.198近辺まで上昇しましたが、その後はドル円と同じく行って来いの展開で売り戻され、結局1.1860と前週比で下落して週末を迎えました。
ポンド・ドルは1.288近辺でスタート後、小幅の上下を繰り返しつつじり高、1.295近辺で引け。豪ドルも引き続き狭いレンジでの取引。0.793で開始後は、北朝鮮報道後一旦0.790割れ。買戻しで0.8を伺うも抜けきれず結局0.7975と小幅の豪ドル高でした。
止まらない北朝鮮リスク
さて、週末にはとうとう懸念されていた地政学リスクが勃発!北朝鮮が水爆実験を行いました。日本の安倍首相からは「断じて容認出来ない。国連の強い意志を示さなければならない」、米トランプ大統領からも「
北朝鮮とビジネスを行う全ての国との貿易停止も考慮している」といった追加経済制裁へ向けた発言が聞かれています。
今回の実験は米国のLabor Day祝日にあたるタイミングで行われたこともあり、トランプ政権を一段と刺激する可能性あり、米中関係の悪化覚悟で北朝鮮への強い姿勢を見せる可能性も考慮すべきかもしれません。また顔に泥を塗られた形となっている中国の反応も注目です。
今までは対話を促すだけで大きな実力行使に出ていなかった中国ですが、今回の対応はいかに。中国が強い経済制裁に踏み出せば、北朝鮮がいよいよ追い込まれる形になり、予期せぬ事態に発展することも視野に入れなくてはならず、何とも物騒になって参りました。。。こればかりは経済指標云々の世界ではなく、週明けからリスク回避の円高といった動きも含め値動きが荒くなる可能性が高いのでポジション繰りには注意ですね。
こうなると事態の成り行きによっては、12月米国利上げやECBによるバランスシート縮小の見方にも変化が出てくる可能性があり、思わぬ円高リスクも想定しておく必要がありそうです。。。。
またユーロ・ドルの1.200達成後の反転に大きな取引チャンスがある可能性があり、こちらも注目です。溜まりにたまっているユーロ・ロングの反転が見られるかもしれず値動きは要チェック。打診的なユーロ・ドル売りが面白いかもしれませんね。では皆様、今週もグッドラック!
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