2018年最初の為替市場は、ドル安、クロス円安を基調とした静かなスタートとなりました。
ドル円は2日に112.7近辺でスタート後、1日に発表された北朝鮮の金正恩氏の「新年の辞」にて、「核のボタンは執務室の上に置かれており、米国に脅かされれば使用する用意がある」との内容を受けてややリスク回避の円高。112円丁度近辺まで下落しました。
一旦112円がサポートされると米株式市場や日本の株式市場が高値を更新するリスクオンの様相を呈する中、米国の金利上昇も見られジリ高の展開となりました。
2018年最初の雇用統計は期待外れ
現地3日、4日にそれぞれ発表されたISM製造業指数やADP雇用統計が強い内容となる中、金曜日の本家雇用統計を前に113.20台まで上昇。そして2018年最初の雇用統計は不発……。190千人増加の市場予想に対して、148千人の雇用増加。ただし失業率は4.1%と依然として低水準を維持。時間当たり賃金の上昇率も前年比で2.5%とそこそこの内容となり3月の利上げ予想は維持されました。ニューヨークが週末スノーストームにヒットされるとの速報もあり上値は重く、113円近辺と若干の円安で第一週を終えました。
ユーロドルは年末の1.200近辺でスタート後、週初のドル下落局面では1.208まで上昇。しかし失速し1.200近辺へ調整。4日にはユーロ円の上昇をきっかけに再度1.2090まで上昇も再び失速。。。1.203近辺で週末を迎えました。特に自立的な動きというよりも米ドル動向やクロス円主導の動きに左右されているように見えました。
ポンド・ドルも同様に動き、1.352近辺でスタート後に週初から1.361までの上昇を見せるがその後1.35まで売り戻され、再度ポンド円の上昇をきっかけに1.357近辺まで上昇して引けました。
オセアニア通貨は堅調に推移。株高によるリスクオンモードの中、オーストラリアドルは0.781近辺から0.786まで、ニュージーランドドルは0.710近辺から0.7173までそれぞれ上昇しました。米国のリグ稼働数が減少したとのニュースを契機にオイル価格は60ドル台をキープ。一時62ドルまで上昇したことなどがサポートとなりカナダドルは好調。1.257近辺から1.241近辺まで対米ドルで上昇しました。
さて、2018年の為替ですが、第一週は雇用統計後の相場の動きを含めて非常に静かなスタートとなりました。
やはり年初のリスクオンムードを作った株式市場の上昇が市場のボラティリティを低位に保っていることが要因と思われます。恐怖指数と呼ばれるS&Pボラティリティ指数として有名な VIX 指数は年末の11.04から9.22(数字が小さければ市場はS&Pの株式変動が低いという見方に傾いていることを示す)まで低下しており、これは金融危機前夜の2006、7年につけていた10を下回る水準です。
主要先進国の中央銀行が緩和的な政策を採っている中、株式市場の調整リスクが低いことは頭では解るのですが、そこまで株価の上昇を信用してもいいものか、為替市場で言い換えれば市場の急変を想定せず金利の高い通貨を買い持つキャリートレードを手放しで支持出来るのか悩ましいところです。
米国では大幅企業減税が実現し企業の収益は改善するわけですので、ミクロで考えると株価調整リスクは低いということかもしれませんが、FEDの段階的な利上げやECBによる緩和政策の縮小、はたまた米中の貿易摩擦や、北朝鮮、エルサレムなどを巡る地政学リスクなどを契機に一気に金融市場が緊迫する場面が訪れるリスクは常に頭の片隅に置いておかなくてはいけないように思います。
トランプ政権の外交政策が予測しにくい動きをするだけに思いがけない動きに注意ですね。しかし、まずは年初の株高に連れたリスクオンの動き、FED利上げ継続シナリオをベースとしたドル円・クロス円の上昇などが見られる展開かなと思います。
経済指標が無難となれば企業の起債も多く米国債の金利上昇が見られやすい季節ですので、今週は米国のインフレ統計や小売売上に注目ですね。
ホリデーシーズンの商戦はどうなったのか?米経済の基調を見る上で楽しみなデータとなりそうです。さぁ、長い1年の始まりです!今年も良いトレード・イヤーにしていきましょう!今週もグッドラック!
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