前週は主要通貨間ではそれほどの値幅が出ませんでしたが、概ね米ドル安の展開が継続しました。
ドル円は111円近辺でスタート後、週前半は上値重くやや下値を探る展開。米株式市場が小幅に低下したことや米債金利の低下を見ながら110.20近辺まで下値をトライしました。しかし、一旦サポートされると一転、水曜・木曜は再度上昇の機運が高まります。
「テクノロジー大手のアップルが減税法案の一環である自国資金還流に係る節税メリットにより約380億ドルを海外から米国に還流、国内に300億ドル以上を投資」、とのニュースが流れると、米国の株式市場は一段高。米国債の金利上昇も伴い、ドル円も111.50近辺まで上値を伸ばす局面も見られました。
しかし、その後は米国債金利の上昇が継続したにもかかわらず、ドル円は失速。週末を前に政府閉鎖への警戒感などもあり結局110.80近辺まで売り戻されて週末を迎えました。
ドルとは対照的に上昇する他通貨
ユーロドルは1.2200近辺でスタート後、週前半は上値を模索する展開。ECB当局者から引き続き緩和政策の縮小を肯定する発言が聞かれる中、月曜日には1.230を打診も一旦は反転。火曜日には1.230をブレイクし、1.2320近辺まで上値を伸ばしました。
その後はECB当局からのタカ派的な発言も特になく、利益確定の動きに押されてレンジを上下する展開。1.2220近辺と小幅のユーロ高水準で引けました。
ポンドドルは、1.3730近辺からスタートし上昇継続。特に英国発の大きな材料はないものの、全般に米ドル安であったことや、2016年のBrexit後の高値を更新しているテクニカルもサポート材料となり、一時1.3950まで上昇。その後ユーロ・ドル同様に利益確定の売りで1.3850近辺まで戻されて引けました。
オーストラリアドルも上昇です。0.792近辺でスタートし、米ドル安を見ながらじり高傾向に。水曜日には節目の0.800をブレイクし一0.8020まで続伸。その後利益確定売りに押されて0.7950まで下げるが、力強い雇用統計を受けて再度0.8035まで上値模索となり、再び利益確定の売りもあって0.7995近辺で週末を迎えました。
欧州圏国債金利上昇で資金をユーロに還流
さて、再び米ドル安の動きとなっていますが、少し勢いは落ち着いた感じでしょうか。
一説には、ECBの緩和政策の縮小を睨んだ欧州圏国債の金利上昇を受けて、マイナス金利が一部解消されてユーロに資金が還流しているとかいないとか。。。
実際に欧州圏で金融政策の正常化が一段とすすむ機運が高まるのか、それとも米国で速いペースの利上げを後押しするような材料が出てくるかに注目といったところでしょうか。
米企業決算は大手銀行を中心に順調な結果となっており株式市場も引き続き高値を更新。先週のアップルの報道に見られたように、海外の資金を米国に戻す動きが強まれば米ドルをサポートする力が強まる気がします。
米政府閉鎖がもたらす影響
しかし、前週末、米上院つなぎ予算が議会で否決したため政府閉鎖となっています。
民主党が移民保護情条項を盛り込むことを要求しているのに対し、政府共和党はつなぎ予算が可決されなければ移民法案については協議しないと物別れ状態。
前回の2013年10月の政府閉鎖時は、博物館の閉鎖などが観光業に影響を及ぼした他、公的統計の発表が遅れるなどの影響が見られましたが、GDPを多少押し下げる一時的な影響に落ち着いた経緯もあり、中期的なドル安とまではならないと見ています。
しかし、相変わらず政権運営に不安定さが残っていることは否めず、FEDも積極的に利上げ出来るような環境ではないとの判断をするかもしれませんので、短期的には米ドル安に流れやすい可能性もありですね。まずは、目先のドル安トレンドにのっかりつつ様子見といった戦略が妥当かもしれません。
それにしても株式市場はどこまでいくのか。。。では皆様今週もグッドラック!
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