前週は、テクノロジー株の下落をきっかけに突如、米株市場を中心とした同時株価下落が勃発。
9月末から大幅に上昇していた米国国債の金利が一旦は低下に転じ、米ドルも主要通貨に対して一旦は下落、といった動きが見られました。
株価下落をきっかけに売り込まれたドル円
ドル円ですが、113.70近辺でスタート後、日米休暇の中、東京時間に一旦は上値を目指して114円手前まで上昇しましたが、そこで跳ね返され失速。
今までの上昇のスピード調整といったトーンで月曜日には一時113円割れまで売られました。その後、113円台を行ったり来たりと方向感の出ない時間帯が水曜のNYまで続きます。
そして水曜日のNY時間、Googleの情報流出による株価下落がきっかけだったのかは不明ではありますが、テクノロジー株を中心に突如として株価の調整がスタート。
米国債金利の上昇が嫌気されているということもあるのでしょうが、S&P500株価指数は水曜日に3.29%、木曜日に2.06%下落となり、ドル円も一時111.80近辺まで売り込まれました。
金曜日は上記の指数が1%以上反発したこともあってドル円も112.20まで買い戻されて週末へ。
米国債金利の低下を受け上昇したユーロドル
ユーロドルは1.1520近辺からスタートし、週初はユーロ円の売りにつられる形で下落となり、火曜日には1.1430まで下落しました。
イタリアの財政懸念に関して特に目立たニュースは無かったのでリスクオフトーンの中でのクロス円売りといったところでしょう。
水曜日からは一転して、上記米株式市場の調整に伴って米国債金利が低下を受けた米ドル売りの対価としてユーロも買われはじめ、金曜日には一時1.1610までの大幅上昇を見せました。しかし再びユーロ円の下落が始まり、1.1560まで売り戻されてクローズ。
Brexit関連ニュースで上下したポンドドル
ポンド・ドルは、1.3120近辺からスタートし、ユーロ同様にややクロス円の引きずられる形で1.3030近くまで下落。
そこからはBrexitに関してやや楽観的なムードになっていたことや、米ドル売りを背景に1.3260まで上昇を見せました。しかし、金曜日引けにかけて、欧州サイドから「ディールは可能だろうが、まだいくつかの難しい論点がある」などのはニュースが流れると1.3150近辺まで売り戻されて週末を迎えました。
Brexitを巡るヘッドラインによる動き以外はほぼユーロと同様の動きを辿りました。
1.3030近辺でスタート後、月曜日には一旦1.310を回復も勢いは継続せず下落。。。パウエルFRB議長発言後は1.2920台まで売り込まれました。
しかし、そこから反転上昇。ロイターで「Brexit合意は近い」との報道が流れたことから1.3120まで上昇して引けました。
オーストラリア・ドルは0.7050近辺からスタート。米中貿易戦争に関して更なるネガティブなニュースが聞かれなかったことから、比較的堅調に推移しました。下値は0.7050近辺でサポートされ、一時0.7140まで上昇、0.7110と幾分上昇しての引けとなりました。
ドル円の下落は一時的なものか
さて、先週の話題はなんといっても米株式市場の調整です。
米景気が堅調とのメインシナリオに変化はないとは思いますが、一体何がきっかけだったのか。
有力な要因は9月末からかなり上昇していた米国債金利の上昇でしょうか。
しばしば出てくる議論ではありますが、米国債の金利と、米株式の配当利回りを比較して米国債金利が魅力的な水準になってくると、わざわざ株式でリスクをとる必要はなく、米国債へ投資すれば十分との議論です。
今、起きていることは、このような議論を背景とした一時的な株価調整に見えます。
小売り大手のシアーズが破産法適用間近とのニュースも出ていますが、こちらはアマゾンによる小売業圧迫の使い古されたニュースなのでさほど影響はなかったと思います。
これが一時的に留まれば、ドル円は再度上値を目指す流れに回帰すると見ますので、今は良い買い場に見えます。クロス円も同様に議論でしょう。
株式市場が持ちこたえれば、ここから買っていけるのではないでしょうか。
他国通貨は今後のヘッドラインに注意
Brexitに関しては、相変わらず欧州と英国のプレッシャーの掛け合いが続いており、ディールが成立するか非常に見極めにくいです。
ただ英国内でも方針が分断してしまっているだけに、これからもヘッドラインに振り回される時間帯は続きそうです。ポンドは本当に触りにくい通貨ですね。
ユーロドルも、ポンドの影響を受けてしまうので、ちょっと予想はしにくいわけですが、ここからは来年の半ばに開始するとみられる利上げについての地ならしが少しずつ聞こえてくる期間と見ますので、買い場を探したいところです。ただし、こちらは中長期なので、年末までに仕込むといったところでしょうか。
思わぬ株価調整に伴うドル円の下落に、やや妙味があるように見えますので、株価回復シナリオを描きつつ、ちょっとドル円を買ってみたいところです。
週末、サウジアラビア政府に批判的な著名記者が殺害された疑惑が報じられており、米政府はサウジアラビア政府の関与が明らかになれば「厳罰」を科すと発表。
トランプ政権の強硬姿勢が様々な場面で見られており、週明けの市場へどう影響するかが注目されます。
ほんと、何が起こるかわかりにくいですね。ポジション繰りに注意しましょう!!それでは皆様、今週もグッドラック!
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