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今週の相場観:2018年12月第2週

前週は、ホリデーシーズン商戦が米国・中国で良好なスタートを切ったという報道や、週末の英国のEU離脱案が英EU首脳間で合意、との報道を受けて、月曜日から株式市場が堅調にスタート。

 

また、パウエルFRB議長がややハト派と受け止められる発言をしたことも株式市場を後押し。リスク資産の調整に歯止めがかかった週でした。

 

為替市場は主要通貨間でまちまちの動きでしたが、オセアニア通貨が強く推移、米ドルも底堅い動きを見せました。

 

パウエル議長の発言で下落したドル円

ドル円は113近辺でスタート。月曜日東京時間から株式市場の上昇と併せてリスクオンのじり高に。NY時間に入ってもその展開が続き113.50まで上値を伸ばしました。

 

火曜日も東京時間は伸び悩みましたがNY時間で再度113.90近くまで上昇。水曜日には一時114円まで到達しました。

 

しかしそこで、パウエル米FRB議長から「現在の政策金利は中立金利と比較してJust below」と発言が。

 

市場では12月の利上げはほぼ確実ながら、その後の利上げペースが遅くなるのではとの思惑で一気にドル売りを誘発、113.50割れまで下落しました。

 

木曜日もパウエル発言の余波で下値を模索する展開で113.20まで下落。そこで一旦止まると週末に向けてはじり高となり、113.50まで買い戻されて引けました。

 

1.1400を上抜けせず失速したユーロドル

ユーロ・ドルですが、1.1340でスタートし月曜東京時間から株高へ。リスクオンのユーロ円買いに伴い1.1380台まで上昇します。

 

ただ、1.1400トライに失敗すると失速。。。ドイツの先行き景気指標がやや弱い結果となったこともありじり安の展開となりました。

 

火曜日に1.1280まで、水曜日には1.1270とじわりと下値を伺っていました。そこで上記のパウエル議長のハト派的と捉えられる発言を受けて一気に米ドル売りとなったことから、ユーロも1.1390まで上昇と荒い値動きでした。

 

木曜日は1.1350から1.1400の狭いレンジでの展開。ただ1.1400を明確に上抜けられなかったことから週末に向けて急速に失速し、1.1320近くでの引けとなりました。

 

じり安となった他国通貨

ポンド・ドルは、1.2810近くでスタート後、月曜日はリスクオンのポンド円買いを受けて、1.2860台まで上昇しました。その後はユーロ同様にじり安の展開となり、火曜日には1.2720台まで下落しました。

 

水曜日はパウエル発言でポンドも1.285近くまで大幅に上昇。そこからは英議会内でBrexit批准に向けて大きな進展が見られてきていないこともありじり安に。結局、1.2750近辺まで売り戻されて週末を迎えました。

 

オーストラリア・ドルは月曜にクロス円の上昇で0.7230からスタートし0.7280近くまで上昇します。その後ドル高に押されて0.7200丁度まで下落。その後は週末のG20に向けて米中首脳対談で何らかの進展ありといった観測やパウエル発言を受けて上昇、一時0.7340台まで上値を伸ばしました。その後やや売り戻され0.7310近辺で引けました。

 

年末に向けて思わぬ値動きに要注意

さて、いよいよ12月に入り市場参加者が本格的に少なくなってきます。

 

思わぬ荒い値動きが発生しがちですのでポジションは控え目にいかないと思わぬ火傷をしそうですので、何とか生き残って参りましょう。

 

週末のG20では米中は全ての関税撤廃に関して協議強化、90日間の交渉中は関税の引き上げを行わないといった報道が出てきました。

米、中国への追加関税を90日猶予 首脳会談で合意|日本経済新聞

 

この交渉が上手くいけば世界景気の見通しには当然プラス、株式市場が再度息を吹き返すことも期待出来そうです。

 

ただ、米中協議は良い報道の後に悪い報道で打ち消されるというパターンがここまでずっと続いてきたので額面通りに受け止めるのは危険かと思います。

 

ちょっとリスクオン的ポジションを取る、例えばオーストラリア・ドルのロングなどを作ってみて、上手く上昇したら一旦利益確定といったヒット・アンド・アウェーくらいの材料と捉えるべきでしょう。

 

より本質的な材料としてはパウエル米FRB議長の態度が多少ハト的になったことでしょう。

 

再三言っている通り、金融政策に既定路線はないというスタンスですので、経済指標を見ながら適宜判断に変化はないですが、現状のインフレ指標などがそれほど上昇してこないことや最近のオイル価格下落を考えると、12月の利上げ後、一旦利上げを小休止する可能性もありますので、中期的なドル安ポジションを仕込むチャンスが近づいて来ているのかもしれません。

 

まー、米経済がすぐに減速するようには見えませんので、もうちょい先の話ですかね。

 

ポンドは離脱案を英議会が批准するかに関するニュースで一喜一憂する可能性が高く、なかなか触りにくい局面が継続しそうです。

 

今週は今年最後のISM製造業や米雇用統計の発表です。2019年の米金融政策を占う上で重要な材料となりそうですので注目しましょう!

 

それでは皆様、今週もグッドラック!

 

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