前週は、「華為技術(ファーウェイ)幹部が逮捕され米中関係の悪化するのでは?」との思惑が継続し、世界的に株式市場が下落する中、リスク回避的な米ドル高となりました。
ドル円は時給の伸び率が思ったほどではなかった米雇用統計の余波と、弱めの日経平均株価を受けて月曜日の朝から円買いの流れでした。
112.60近辺でスタートし、112.20近くまで下落。このまま一気に下がるかと思いきや、ここから怒涛の切り返し、株価の下げ止まりを受けてNY引けには113.30台まで買い戻されました。
年末相場の影響色濃く
特にきっかけとなるニュースもない中、さすがの年末相場といったところでしょうか。その後も、株価が反発していた木曜日までは、小刻みな上下を繰り返しつつじり高となり、木曜日のNY時間には113.70に到達しました。
しかし金曜日には雰囲気が一変。
中国の11月小売売上や鉱工業生産といった統計が予想を下回る結果となったことで、再びグローバルな規模での景気減速懸念が台頭し、主要国で株価に調整が入りました。ドル円も113.40近辺まで売り戻されて金曜クローズと迎えます。
ドラギ総裁の発言で失速したユーロドル
ユーロ・ドルですが、上述通り月曜東京はドル安となったことで、1.1380から1.1440まで上昇。すでにこれだけでも謎の動きでしたが、その日のうちに強烈な売りが入り、1.1350まで下落と完全な年末相場の様相でした。
火曜日も1.1400を回復したと思ったら、Brexit絡みで欧州と英国の緊張が意識されると1.1300近辺まで下落。
水曜、木曜はメイ英首相が何とか不信任決議を切り抜け1.1400近くまで上昇となりましたが、ECB会合後のドラギ総裁の「最近の経済データは予想より弱い」「インフレ持続のため大規模緩和は依然として必要」といった発言で失速しました。
金曜日は上記の世界景気後退懸念から、クロス円の売りが優勢となり一時は1.1270まで下落、何とか下げ止まると1.1300台まで買い戻されて引け。
英議会の採決延期で大きく下落したポンドドル
ポンド・ドルは、Brexit絡みのニュースが相変わらずの変動要因でした。離脱案英議会での採決が先延ばしになるといった報道で、まず月曜日から大きく下落、1.2720から1.2500近くまで売られました。
その後、メイ首相に対する不信任決議が持ち出されるも、何とか不信任が回避されたことで木曜日には1.2680台まで買い戻し、その後の金曜日はクロス円の売りで、1.2530まで一旦下落。1.2580台まで買い戻されて引けました。
豪ドルは、ファーウェイショックで大きく売り込まれた先週の反動でじり高の展開に。0.7210近くから、木曜日には一時0.7250まで上昇します。
しかし金曜日の弱い中国の経済統計を受けて、中国との貿易の恩恵が大きい豪ドルも下落。一時0.7150まで売られ、0.7170近辺で週末を迎えました。
急激な変動に気を付けたい年末相場
さて、完全に年末モードで値動きが荒くなってきました。
今週は2018年最後のFOMCが開催されます。市場予想通り0.25%の利上げが実施されるものと考えますが、重要なのは「声明文で先行きに対してどのような見方が示されるか」でしょう。
トランプ大統領は相変わらずで、「今利上げをするなんて馬鹿げている」と発言しておりますが、現に景気減速後退から、株価の調整が各市場で起こっていますので、そろそろFOMC内でも利上げに慎重な理事が増えてくるかもしれません。
もし利上げペースの緩和が示唆されれば中期的な米ドル安のトレンド発生の起点となる可能性もありますので、注視したいと思います。
ただ年末だけに値動きがどのようになるかは予想がつきにくく、また危険な香りがしますのでポジション量には気をつけて参りましょう。
株価の調整の最中、また企業不正のニュースがありましたね。米医薬品大手のジョンソン&ジョンソンで、ベビーパウダーにアスベストが混入していた事例を把握していながら隠ぺいしたとのこと。これは衝撃です!
米J&J、発がん性物質混入を隠蔽か ロイター報道|日本経済新聞
子供に発がん性物質!本当だとしたら世も末ですね。企業に収益成長を求め続ける株式市場、資本主義の悪い側面がそろそろ膨れ上がってきているということかもしれません。
現在多くの投資家が基本的には株式を買い持ちしていると思われますので、まだまだ株価下落は終わらないとの見方も強く、為替市場にもリスクオフのクロス円といった動きが復活するかもしれませんね。
引き続き市場はホリデーシーズン、ゆっくりした気持ちで抑え目トレードしてください!!
それでは皆様、今週もグッドラック!
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