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今週の相場観:2018年12月第5週

前週は、世界的な株式市場の下落が継続する中、投資家のセンチメントは冷え込みを受けてドル円が下落。

 

また世界景気減速への懸念からオーストラリア・ドル、カナダドルなどの資源国通貨、オイル価格の下落も止まらずで軒並み価格低迷が目立ちました。

 

世界的な株安で大幅に下落したドル円

ドル円ですが、113.40からスタートし東京時間は小康状態でしたが、LDN時間からドル円は下落開始。米株の下げで売りが加速し一時112.7まで下げました。

 

火曜日以降も世界的な株安トレンドが継続し、ドル円も火曜日に112.20台。水曜日には112.10と徐々に下値を切り下げていきました。

 

NY水曜日のFOMCでは事前予想通り、0.25%の利上げが実施されドル円は112.70近辺まで値を戻しました。

 

しかし、パウエル米FRB議長の発言が「基本的な利上げスタンスに変更なし」「現在のセンチメントの悪化が実際に経済データに反映されてくるかはまだ不明」と楽観的なトーンであったことで、利上げ休止トーンを期待していた株式市場は落胆して下落となりました。

 

明けて木曜日、利上げ継続モードのFOMCを受けた株安でドル円の売り再開となり、終日売られ続けついに110.80まで下落と久しぶりに111円を割り込みました。その後じりっと買い戻されて111.20近辺でクローズ。

 

EUとイタリアの予算合意で急伸したユーロドル

ユーロ・ドルは、1.1300台からスタート。週明けの小康状態を経て欧州時間から米ドル安トレンドとなりユーロは上昇。月曜日に1.1350、火曜日には一時1.1400、FOMC前には1.1440とじりじり上値を伸ばしていきました。

 

FOMCでは上記の通り一旦利上げが実施されたことから、ドルの買い戻しが入り1.1380まで売り戻されましたが、明けて木曜日、イタリア政府と欧州委員会がイタリア財政に関して一旦合意に至ったことでユーロが急伸1.1490近くまで買われました。

 

しかし、オプション絡みの売りが厚いとされた1.1500ブレイクに失敗したことから、週末に向けてポジション調整の売りに戻されて1.1370近辺で引けました。

 

ポンド・ドルは1.2580近辺でスタートし、特にBrexit絡みで大きな進展の無い中、米ドル安トレンドを受けて小幅に上昇。1.26001.2700の狭いレンジ内で推移し、1.2640近辺での引けとなりました。

 

オーストラリア・ドルは、0.7170でスタート後、週明けの米ドル安を受けて0.7200に小幅上昇してFOMCを迎えました。

 

パウエル氏の発言が景気、株にネガティブの内容であったことから、オーストラリア・ドルは大きく下落を開始0.7090まで下落。その後も株安が継続したことから、0.7040まで売られて週末を迎えました。

 

利上げ継続が決定されたFOMC

さて、今年最後のFOMCが終わりました。

 

株安に歯止めをかけるハト派的な内容を期待していた一部市場関係者ががっかりの利上げ継続トーンが発せられました。市場の潮目が変わって来ているようですね。

 

今までは、力強い米経済→利上げ→利上げしても株式OK→ドル高といった感じの連想が働いていたように思いますが、10月以降の株安で、利上げ継続→経済に対するネガティブ効果→株式市場の下落→最終的に利上げ休止→ドル安といった連想にシフトしているように思われます。

 

利上げがストレートに米ドル高に効くのか、それとも将来的な利上げ休止、米ドル安を織込みに行くのかの差でありますが、徐々に中期的な米ドル安を念頭に置いておくべき局面なのかもしれません。

 

株式市場への懸念で来年のドル円は弱気スタートか

トランプ政権の混乱も続きます。

 

国境付近の壁建設費を巡り、共和党、民主党で意見がまとまらず政府機関の一部閉鎖が起きております。

米政府機関が一部閉鎖 「国境の壁」など予算失効|日本経済新聞

 

10-12月期のGDPの押し下げ要因ではありますが、影響は短期的との見方が強いです。

 

しかし、全ての議題についてこの調子で政治的な衝突が続くようですと、2019年の政権運営に対する懸念が強まるばかりで、景気後退などがおきた時の迅速な対応は期待出来そうにありません。

 

株式市場の懸念が払拭されるまでちょっと時間がかかるかもしれませんね。来年のドル円はやや弱気スタートの可能性が高いかなと思われます。

 

また米中関係も改善しないままでしたね。

 

関税に係る交渉が行われているはずですが、今のところ確たる報道は出てきていませんね。年初に米中の歩み寄りが見られるかが、相場を占う上で大きな材料になりそうです。

 

いやー今年は米中問題、Brexit報道と政治的な材料に振り回される時間帯が多かったですね。

 

来年もその展開は継続すると思われますので、また1年生き残れるように頑張って参りましょう。

 

今年も一年ありがとうございました。年末年始を楽しんで鋭気を養いましょう!!

 

それでは皆様、今週、来年もグッドラック!

 

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