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今週の相場観:2018年2月第3週

前週も引き続き米ドル高、円高とリスクオフムードの漂う展開となり、特にクロス円の下落が目立ちました。

 

ドル円は、110.10近辺でスタート後落ち着いて推移していましたが、月曜日のNY株式市場が大幅の下落となったことから、円が全面高となり109円台前半まで下落しました。

 

火曜の東京朝に108.5まで下落すると、その後は株式市場の落ち着きを見ながら反転上昇。水曜の欧州時間には109.80近辺まで回復しました。

 

要人発言がドル売りを誘う

しかしダドリーNY連銀総裁の「株式市場の急変は景気見通しに影響を与えない」、「株下落はまだ中央銀行が重視する話ではない」といった発言や、エバンス・シカゴ連銀総裁の「インフレ上向けば、追加利上げを支持」といった当局の利上げ姿勢に変化のないことが確認されると株式市場は再度軟調へ。ドル円も木曜日には108.60、金曜日には108円ちょうどの水準まで下落しました。

 

その後、日銀の黒田総裁続投、緩和政策の継続との報道や米株式市場の持ち直しを受けて、108.80近辺まで回復して週末を迎えました。

 

ユーロ・ドルは1.2430近辺からスタート後、前の週のリスクオフの円高クロス円安の流れを受け継いで軟調な展開。水曜日までじり安の展開となり1.2250近辺まで下落しました。

 

木曜日はポンドの上昇につられて堅調推移。金曜は小動きで1.2250近辺での引けとなりました。

 

ポンド・ドルは1.4110近辺でスタート後、他通貨同様に米ドル高に押される形で下落。しかし、ユーロ・ドルとほぼ同様に、1.4160近辺でスタート後一旦1.4000を割り込むも持ち直してレンジ推移。水曜までに1.3850近辺までじり安となりました。

 

ポンドは一時急上昇

木曜日、英中銀は予想通り金融政策を据え置きましたが、カーニー総裁が「利上げは限定的な度合いで段階的に行うことが必要だが、昨年 11 月に考えていたよりも幾分早期かつ大幅になる公算」とややタカ派の発言をしたことを受けて一時1.4070近辺まで上昇となりました。

 

しかし、その後は米株の下落とクロス円の下落に押される形で下落、1.3830近辺で引けました。

 

オーストラリアドル、ニュージーランドドル共に政策金利が据え置かれる中、動意なく市場全般の米ドル高の影響を受けて続落。07930から07810近辺、0.7300近辺から0.7255近辺まで下落しました。

 

 リスクオフな為替市場

さて、再び株式市場が荒れ模様となる中、為替市場もリスクオフの展開になっています。

 

果たして大きなストーリーとして何が変わったのでしょうか?

 

答えはNO、恐らく何も変わっていないと思います。引き続き米国企業の決算は好調ですし、減税法案もあり見通しも良好。

 

変わったのは相場の値動きの仕方が変わっただけというのが現時点での答えでしょう。株式市場を始めとして、全ての金融市場の値動きが激しくなっております。

 

きっかけはただの利食い、調整かもしれませんが一旦値動きが激しくなると、元の相場に戻るまでちょっと時間がかかります。

 

なぜかと言うと、世の中にはリスク・パリティ戦略といったポジションの変動リスクを一定に保とうとする戦略で運用されているファンドが多くあるため、市場の値動きが激しくなった時は必然的にポジションを縮小するという行動に出る傾向があります。

 

年末からのドル安、円安ポジションの積み上がりを考えますと、為替市場でのポジション縮小はユーロ・ドルの買いポジションの解消やユーロ円、ポンド円といったクロス円の買いポジションの縮小ということかもしれません。

 

そのような値動きを念頭に置きつつ、でも値動きが激しくなりがちなのでポジションは抑え目に行くのが賢明な期間かもしれないですね。

 

こういった相場の時、ウォールストリートのプロ投資家も個人投資家もやるべきことは一つ!「控え目!控え目!」

 

それでも値動きが激しい分十分損益は出ます。

 

皆様、今週もグッドラック!

 

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