前週は多くの主要通貨に対して米ドルが堅調に推移する中、ユーロは横這い、円高とまちまちの動きとなりました。
ドル円は107円近辺からスタート後、特に材料のない中、106.50まで売られました。その後、日経平均株価が持ち直しを見せる中、ジリジリと回復し火曜日の欧州時間には107円を回復しました。
パウエルFRB議長とトランプ大統領の発言でドル円乱高下
NY時間に入り注目のパウエル新FRB議長の議会証言では、「米経済見通しは12月以降強まっている」との発言も聞かれ、年4回の利上げの可能性を示唆。ドル円は107.70近辺まで上値を伸ばしました。しかし、ここが今週の高値に。
その後は金利高による株価低下が意識されたことや、黒田日銀総裁の「2019年度ごろ出口を検討していること間違いない」といった発言、米トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入に関してそれぞれ25%、10%の関税をかけると発表したことで米株式市場が大きく崩れたことなどが引き金となりドル円は下落傾向へ。年初来の安値となる105.60を下回る105.25まで下値を試しました。
その後、若干買い戻され105.75近辺で週末を迎えました。
米ドルの影響を受けている他の通貨
ユーロ・ドルは、1.2290近辺からスタート後、週明けユーロ円の上昇にけん引されて、1.2350近辺まで上昇しました。
その後、上記パウエルFRB理事の発言を受けた米ドル高からテクニカルに意識されていた1.2200を下にブレイク、1.2150近辺まで下落しました。
チャート上はダブルトップを形成し下値を追いかけると思われましたが、トランプ米大統領の関税発言からユーロ・ドルは反転上昇となり1.2320と、終わってみれば先週比小幅高引けました。
ポンド・ドルは、1.3970近辺でオープン後、月曜はクロス円の上昇にけん引されて1.4070まで上昇しましたが、パウエル氏の強気発言で1.390近辺まで下落。さらに、Brexitに関してメイ首相から「現在の草案に合意できるイギリスの首相など存在しない」と英欧の対立が依然として継続していることが示唆されたことが重石となり、1.3720近辺まで下落。その後週末にかけては米国の関税報道でやや買い戻されて1.3800で引けました。
オーストラリアドルは日経平均が崩れクロス円が週後半売り傾向になったことを受けて0.7840近辺から0.7760まで、ニュージーランドドルも07300近辺から0.7240近辺までそれぞれ下落しました。
トランプ政権の保護主義、株式市場の成長を阻害か
さて、パウエルFRB議長が強気の経済見通しを持つ一方で、トランプ政権の保護主義的側面を強く伺わせた関税政策と材料が錯綜しています。
この保護主義的な政策ですが、公約通りの動きであるものの、今までは減税など成長を促進する方策が目を引いていただけに、成長を阻害する要因として株式市場では深刻に受け止められています。
こうなってくると株式市場のボラティリティはいつになっても高水準で維持となり、1月まで見られたような世界同時株高といった適温相場が戻ってくるには相当な時間を要することと思われます。
各国の政治イベントが株式市場への影響
また日銀の出口戦略もチラホラと話題に上ってくる環境下、ドル円、クロス円の上値が重い展開の長期化を覚悟しなければいけないかもしれません。
またユーロ・ドルの動きも何とも掴みにくくなっています。ダブルトップの形成とポジションの積み上がりを考慮すればユーロ安は妥当と思われましたが反転上昇……、相場は難しいですね。
週末には、欧州の政治イベントがありました。まずはドイツの第2党ドイツ民主党がメルケル氏率いるキリスト教民主と大連立を形成するかの党員投票を実施。こちらは大連立形成に賛成との結果となり、ドイツの政治空白がようやく終息する形になりました。
またイタリアの総選挙ですが、こちらはどの政党が最終的に勝利するのか不透明感が強くなっています。ポピュリスト政党の「5つ星運動」の勝利となれば、政治的な混乱は大きく思わぬユーロ安要因となるかもしれません。
強い米経済の姿への注目
さて、今週金曜日は米雇用統計の発表です。米政権の関税政策とのはざまにあってなお強い米経済の姿が確認出来るのか注目です。
何にせよ、株式市場は落ち着かず為替市場も落ち着かない動きとなりそうですね。特にドル円、クロス円の下値を模索する動きが出た時には大きな動きとなりそうですので要注意!
ポジション繰りに注意しつつ、皆様今週もグッドラック!
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