FXコラム

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今週の相場観:2018年3月第3週

前週は、対円およびスイスフランに対してはドル高、ユーロに対して横這い、その他主要通貨に対してはドル安とまちまちの動きとなりました。

 

まずはドル円。105.70近辺でスタート後、週末のイタリア総選挙で反EU勢力の5つ星運動の躍進が見られましたが、即時EU離脱を抱えているわけではないため、市場の影響は限定的となり、横ばいで推移。

 

トランプ大統領の言動でドル円乱高下

NY時間には、トランプ政権の輸入関税について共和党のライアン下院議長が強い反対姿勢を示したことや、トランプ大統領自身がカナダとメキシコに対して、「NAFTA再交渉で同意した場合のみ、鉄鋼・アルミの関税が免除される」とツイッターで発言し、楽観論が広がりドル円は106.20まで上昇しました。

 

火曜も106.50近辺を伺うややドル高の様相でしたが、水曜日の東京朝方にトランプ政権の良識派とされていた「コーン大統領補佐官が辞任へ」の速報が入ると、保護主義・過激路線が強まるとの懸念からドル円は105.50近辺まで急落。しかしNY時間に入ると、関税措置を巡る追加情報として適用除外もあり得るといったトークからやや値を持ち直しました。

 

金曜日の日本時間に、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩委員長の要請を受け、5月までに首脳会談に応じるとのヘッドラインがリスクオンを誘い、106.90近辺まで急上昇しました。

 

NY時間には注目の雇用統計!今回は雇用者数の大幅増加となり、107.10近辺まで一旦上昇したものの、平均賃金が予想以下の伸びとなったことでFEDによる利上げ加速懸念は高まらずやや売り戻され106.80近辺で週末を迎えました。

 

ECB会合でユーロ牽制発言

ユーロ・ドルは、1.2350近辺とややユーロ高でスタート。週末のドイツの第2党の党員選挙でメルケル政権との大連立が指示されたことを好感された形でした。

 

イタリアの総選挙は上記の通りユーロに対しても影響は限定的でした。ユーロ円の上昇にも支えられ火曜日には1.2400まで上昇。高値圏推移で木曜日のECB会合を迎えました。

 

注目のECB会合後の声明では、「フォワードガイダンスにおける量的緩和バイアスの削除を全会で一致」との報道で一旦1.2450まで上昇するも、一旦材料出尽くしで反転下落。ドラギ総裁の2018年のユーロ・ドルは1.23程度が適当との発言から実際の市場も1.23まで下落し、金曜日はほぼ横ばいとなり、1.2310近辺で引けました。

 

堅調に推移する他通貨

ポンド・ドルは、1.3800近辺でオープン後、ほぼユーロ・ドルに沿う展開で方向感が出ない展開へ。Brexitの交渉関連の報道に神経を尖らせる展開が継続するが、全体的に小動きで1.3850近辺とややポンド高で引けました。

 

オーストラリアドル、ニュージーランドドルは堅調に推移。米国の輸入制限の適用除外が豪州にも適用されるとの報道で、全面的な貿易戦争への懸念がやや和らいでいることがサポート要因となり、0.7760近辺から07845まで、ニュージーランドドルも07240近辺から0.7280近辺までそれぞれ上昇しました。

 

コーン大統領補佐官辞任と保護主義政策でドル懸念

さて、貿易戦争の火種となる関税政策を打ち出したトランプ政権ですが、コーン大統領補佐官の辞任報道と併せて、市場で懸念されてきた保護主義政策が鮮明となってきました。

 

利上げ継続局面とはいえ、政権のあからさまなドル安政策により上値が重い展開が継続することになりそうです。

 

一方、米株市場は過度の利上げ観測の後退から持ち直しが見られており、米株安経路によるドル安といった側面は回避されるように見えます。

 

北朝鮮の軟化も地政学リスクの後退からドル円にはポジティブに見えましたが、ここに森友問題が再度、吹き出してきました。

 

森友問題なのに不思議な円高

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決算文書の書き換えを財務省が認める方針との報道があり、近畿財務局の職員の死亡、佐川国税庁長官の辞任と混乱の極み。。。。

 

何とも頼りない政府、通常ならば大幅円安になっても不思議ではないのですが、リスクオフ(!?)で円高になるのが為替市場の不思議なところです。

 

日米政権共に上級職員の辞任、貿易戦争関連の報道、と経済指標に関係のない飛び道具的な材料で上下する展開を想定されますので、ポジションは控え目にしたほうが無難でしょう。それにしても、米の関税政策はやはり長期的なドル安要因として受け止める必要がありそうですね。

 

ドル円の上値は重く方向感出にくい、ユーロもイタリア政局など抱えながら強いとは言えない、うーんどの通貨に対してもいまいちポジティブになり切れない中ですが、ユーロが無難な買い通貨なのかなという感じがしますね。

 

とは言え、まだまだ年序盤!政治的なヘッドラインに注意しつつ頑張って参りましょう!それでは、皆様今週もグッドラック!

 

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