FXコラム

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今週の相場観:2018年3月第5週

前週は、パウエル新FRB議長の元で初のFOMCが開催されました。

 

一部投資家が年内4回の利上げを示唆する可能性を見込んでいましたが、現時点では年内利上げ3回がメインシナリオであることが示されたこと、また米中貿易戦争のリスクが意識されたことが総じて米ドル安へと繋がりました。

 

米対中関税政策でドル円下落

ドル円ですが、106円近辺でスタート後、FOMCを控えて小動きながら利上げペースの加速を見込んだ買いで106.50近辺までジリ高となりました。

 

しかし、大きな材料もない中、106.20近辺で日本時間木曜日明け方のFOMCを迎えました。

 

注目のFOMCでは、予想通り0.25%の利上げが実施(FF金利誘導目標は1.5%-1.75%)される一方で、パウエル議長から発せられたメッセージは「この会合で決定した唯一のことは0.25%の政策金利の引上げのみである」であり、今後の利上げペースについては今後の経済指標次第であることが示され、市場ではハト派的と受け止められました。

 

一部の利上げペース加速を見込んでいたドル買の投げ売りから、106.60まで一旦上昇した後はズルズルと106円まで下落。木曜日もドル売り圧力の強い中、トランプ政権より発せられた対中関税政策を受けて米国株式市場が大きく値を崩したことでリスクオフの円高となり105.30まで下落。金曜日も売りは継続して2016年11月ぶりとなる104.70近辺で週末を迎えました。

 

FOMCの影響で上昇しているほかの通貨

ユーロドルは1.2290近辺でスタート後、FOMCを控えて方向感の出ない展開でした。ユーロ円の方向に振らされ1.2350まで上昇すると一転、1.2250まで下落と落ち着かないままFOMCに突入です。結果は上記の通り、ハト派なパウエル議長の発言を受けて1.2350まで上昇となりました。ドル売り圧力の強まる中、1.2390近辺まで上値を伸ばしましたが、ユーロ円の売りが重石となり結局1.2350近辺で引けました。

 

ポンドドルは、1.3850近辺でオープン後、1.3950近辺でスタート後、EU離脱交渉において英政府と欧州委員会が移行期間設置に合意との報道でFOMC前まで1.4050までジリ高となった後、FOMCを受けたドル安で1.4150まで上昇しました。木曜日のイングランド銀行金融政策発表では予想通りの据え置きながら、5月の利上げ開始が意識され1.42を超える水準まで上昇。その後はクロス円の売りにも押され1.4130近辺で引けました。

 

カナダドルは、トランプ政権がNAFTA交渉において態度を軟化させる可能性があるとの報道から大きく反転、1.3096から1.2895まで対ドルで上昇しました。オーストラリアドルは、0.7710近辺でスタート後、FOMCを受けて一時0.7780まで上昇しましたが、リスクオフのクロス円売りで0.770近辺と小幅安で週末を迎えました。

 

米中貿易戦争につき、円通貨ペア乱高下に注意

さて、FOMCからは引き続きインフレ率等のデータを消化しつつ、今回の利上げを含めて年3回の利上げがメインシナリオとして示さる無難な結果でしたが、政治的な材料が引き続きかく乱要因として居残りそうです。

 

米中の貿易戦争が激化となれば、中国は米国債の購入を控えるといったカードを切ってくる可能性もあり、それは米国債の金利の大幅上昇(価格の下落)と株式市場の更なる下落、リスクオフの円高、クロス円安に一段と加速がかかってくる可能性もありますので注意の時間帯です。

 

ユーロ円、ポンド円、豪ドル円のテクニカルは下落を示唆している中、米中摩擦、日本の政治スキャンダルといった材料は下値を試すには十分な材料を提供していると思われます。

 

日本の政治リスクも警戒

週末に発表された日本経済新聞社の世論調査によれば、内閣支持率は2月下旬の56%から42%と大幅に下落していることが改めて確認されました。

 

森友学園を巡る財務省の決裁文書書き換え問題について、「首相に責任がある」との回答が70%に上った模様です。本当に税金の無駄遣いするような国会会議に時間が費やされないことを祈るばかりです。

 

さっさと責任の所在を明らかにして処理してもらわないと、貿易戦争をいかに回避して日本の国益を守るかといった重要課題がおろそかになってしまいます。その間は、株安・円高の傾向が払拭されないように思われます。

 

今週もクロス円の売りが継続しそうな予感がします。では今週も政治に振り回されつつ頑張って参りましょう!

 

それでは、皆様今週もグッドラック!

 

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