前週は、米中貿易戦争や米国とロシアのシリア情勢関連の報道に一喜一憂する展開でした。
金曜日の引け時点では、米英仏のシリア攻撃の報道がなかったこともあり、ドル円、クロス円が上昇という結果に。
米中露の政治態勢で上下するドル円
ドル円ですが、106.90近辺でオープン後、伸び悩む日経平均とNY時間の米国債金利の低下もあって106.60まで低下。火曜日は中国の習近平国家主席から貿易に関する柔軟な姿勢を表明しリスクオンムードが高まりました。
「経済における様々なセクターでの開放政策の継続」、「自動車への輸入関税引き下げ」、「米国と争点になりやすい知的財産権の保護に努める」、といった内容の演説でドル円は上昇を開始。アジア時間の106.6台からNY時間には一時107.40までの上昇を見せました。
水曜日はトランプ大統領のシリアへのミサイル攻撃を示唆するツイートやインフレ統計が市場予想通りの結果で早期の利上げ観測は高まらずドル円は再び106.7まで低下しました。
木曜は逆にロシアが戦争を回避するために交渉を望んでいるとの報道から、株価上昇&国債の金利上昇に。これを受けて、ドル円も再び107.4まで上昇。金曜日も上値を模索する動きは続き107.80までの上昇を演じた。
しかしその後は、週末に向けたシリア情勢の動向、トランプ大統領のツィートへの警戒感などから米株が失速したのと並行して107.35まで売られて週末を迎えました。
買われ続ける多通貨
ユーロドルは1.2280近辺小でスタート後、ECB当局者から、「ユーロ圏の成長は堅調」、「ECBの資産買入れ政策の年内終了」といった金融緩和の出口戦略をほのめかす発言や、クロス円の上昇につられる形で水曜日には1.2400手前まで上昇しました。
その後は、ややポジションの積み上がりが意識されたことやECB議事録で特に利上げ時期が早まっているように見られないとの解釈から1.2300まで下落しました。金曜日はユーロ円の上昇と共に1.2330近辺まで買われてクローズを迎えました。
ポンドドルは1.4090近辺でオープン後、週を通して上昇傾向となりました。BOEによる利上げ観測がやや高まっていることやクロス円への買い意欲を受けて、1.4240まで上昇して引けました。
オーストラリアドルも中国の貿易に関する柔軟姿勢とのニュースが支えとなり、0.7680から0.776まで上値を伸ばして週末を迎えました。ニュージーランドドル、カナダドルなども堅調に推移しました。
米英仏によるシリアへの空爆でトレードが難しくなる
さて、週末には米英仏によるシリアへの空爆が報じられました。
生物化学兵器を使用したとされるアサド政権、また同政権を支持するロシアおよびイランに対して非人道的とのメッセージをトランプ政権が浴びせた形です。
マティス国防長官からは「これは一回限りの攻撃で、非常に強力なメッセージを相手に伝えた」との発言が聞かれており、長期化しなければ相場への影響は限定的ということかもしれませんが、しばらくは欧米英とロシアを巡るヘッドラインで一喜一憂する展開が継続する可能性が高く、なかなか腰を据えたトレードは難しそうなイメージです。
米企業の好調な業績
そんなヘッドライン一色の週末ではありますが、少し目先を変えまして、米企業の1-3月期の決算発表がいよいよ本格化してきます。
金曜日は米大手銀行のJPモルガンが決算を発表していますが、好調な株式トレーディングビジネスなどを背景に良好な決算内容でした。
またM&A等を手掛ける投資銀行部門の案件は2017年と比較して相当に積みあがっている模様で、税制改革案が固まったことを背景に今後とも企業買収などのコーポレートアクションが株式市場のサポート要因の一つとなりそうです。
短期的なニュースに振らされながらも、中期的には堅調な企業業績が確認され、どこかで米国の利上げペースの加速が意識されやすい相場になりそうな予感はします。
とはいえ戦争のリスクオフの前では、無理はしてもしょうがないのですね。ドル円の上値は引き続き重く、代替でユーロが消極的に買われるという展開になりそうです。まだまだ我慢です……。
それでは、皆様今週もグッドラック!
■超人気海外FXブランド XM
XMの口座開設はこちら
■専業トレーダーに人気の BigBoss
BigBossの口座開設はこちら
■低スプレッド、ECN方式、信託保全の3本セット Tradeview
Tradeviewの口座開設はこちら