前週は米英仏によるシリア空爆という地政学的イベントを受けて、先週月曜オープンは全体的に為替相場はリスクオフムードで始まりました。
このムードが続く懸念がありましたが、「空爆はワンタイムのオペレーションである」との報道を受けて、為替市場は一転リスクを取るようになり、かなり活発に動きましたね。
反転上昇しているドル円
ドル円ですが、前週末の107.35近辺より小幅高の107.40でスタート。その後は一気に107.6まで上値を伸ばしました。
しかし、空爆が一回で終わりとは言え、引き続き米露が緊張状態にあることや、米中貿易戦争を巡る不透明感などから火曜にかけて106.9近辺まで下落。その水準でサポートされると、今度は反転上昇の展開へ。
”No news is good news” と米露・米中の舌戦が一時中断する中で、米国の住宅統計などが堅調な内容となったことや、米国債金利の上昇を背景にド、ル円は金曜日にかけて107.85まで上値を伸ばしました。
けれども、金曜日NY時間に米国10年国債金利が節目となる3.0%に近づくと、金利上昇による株価抑制効果が意識され株価が下落したことから、107.65近辺まで売り戻されて週末を迎えました。
対照的な他通貨
ユーロ・ドルは1.2330近辺からスタート後、火曜NY時間までは上昇傾向で1.2410まで上値を伸ばしました。しかし、その後は米国債金利が上昇を見ながらの米ドル高に押される形でユーロ・ドルは下落基調です。
さらに、BOEのカーニー総裁の「Brexitの影響で利上げタイミングはそれほど早まらない可能性も」との発言で下落した影響も受けて、週末にかけて一時1.2250近辺まで下落。多少買い戻されて1.2290近辺と小幅のユーロ安で引けました。
ポンドドルは1.4240近辺でスタート後、ユーロ・ドル同様に順調に買われて火曜日に一時1.4380近辺まで上昇です。
その後はユーロと同様に米国金利の上昇や、上述のカーニー英中央銀行総裁の利上げタイミングを巡る発言で一段と下落に拍車がかかり1.40丁度まで売られて引けました。
オーストラリア・ドルも下落。木曜日に発表された雇用統計が弱い内容となり、利上げ観測がやや鈍ることが予想されることや、今週発表のCPI(消費者物価統計)を前にポジションの調整から軟調となり、0.7760から0.7670近辺まで下落した週となりました。
地政学リスク解消で円高か
さて、シリアを巡る地政学リスクは一旦材料としてはフェードアウトした形になりましたが、週末は北朝鮮が米朝会談を前に非核化を進めるとの報道が出ました。
これは週明けに一気にリスクオンの機運が高まる可能性があり、米国の10年国債の金利が3.0%に到達、それに伴うドル高トレンドが出るかに注目です。
ドル円でいえば久しぶりに108円到達が見えてきて、ドル買いが進みそうな雰囲気です。ユーロ・ドルの1.2200の下方ブレイクもトレードチャンスになりそうで期待したいところですね。
一方、ファンダメンタルズに目を向けますと、米企業決算は好調を維持しており、米株が単独で下落してのリスクオフという展開にはならなそうな雰囲気です。
米国のインフレ率は上がるか
また米国内でコモディティ高によるインフレ率の上昇を示唆する話題がちらほら散見されます。
中国からの鉄鋼に関税をかける方向であることから、米鉄鋼メーカーのNucorが鉄鋼価格の値上げに前向きであることや、ロシア制裁の影響からアルミ価格の上昇が見込まれておりアルミ大手Alcoaが利益見通しを引き上げているとの報道です。
うーん、圧倒的なデフレ圧力を持つとされるAmazon効果ですが、これが一巡すると“Made in USA”を掲げるトランプ政権の貿易政策は国内の物価上昇を招き、さらなる金利上昇&米ドル高という展開が見えてくるかもしれませんね。
金利上昇が行き過ぎれば株価が下落を始める転換点が出てきますので、そこには注意が必要ですが……。
とりあえず今週は北朝鮮の非核化報道によるリスクオンをもたらず値動きに上手くのれるようなポジションを心がけるのが一番ですね!
それでは、皆様今週もグッドラック!
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