前週は、週半ばまでは米ドル高の上値をためず展開が継続しました。
しかし、週末に向けてポジション調整から、一旦はドル高に歯止めがかかる展開に。結果として小動きに留まった1週間でしたね。
狭いレンジ内で上下するドル円
ドル円は109.10近辺でスタート後、月曜日はロンドン勢が休暇ということもあり方向感が出ません。火曜日も狭いレンジ内での上下でした。
動きが出たのは水曜日。東京時間に突如ドル円が109.00円近辺から109.60まで上昇、木曜日のロンドン時間には上値を試す動きとなり東京時間で109.90、ロンドンの入り口で再び110円に到達しました。
しかし、噂されていた通り日本の製造業筋の売りオーダーも手伝ってか底を上値として下落開始。米国時間の消費者物価指数も予想を下回ったことで、FEDが利上げを急ぐ必要なしとの見方から109.30まで調整しました。
金曜日は方向感も出ず、結局109.40近辺と小幅のドル高で引け。
小幅変動の他通貨
ユーロ・ドルは1.1960近辺でスタート後、週の半ばに向けて下値を試す展開が継続しました。月曜日には1.190ちょうどをタッチ。
火曜日には1.1850まで、水曜日に安値となる1.1820近辺まで、下落しました。その後はだらだらと上昇しましたが、終始値動きは不安定でした。
イタリアの大衆政党の台頭を受けて売られる局面をこなしつつ1.1940まで戻して小幅の下落で週末を迎えました。
ポンド・ドルは、1.3530近辺でスタート後は狭いレンジ内での取引となり方向感は出ませんでした。
木曜日の英中央銀行の金融政策発表では、予想通りの政策金利据え置き。。。ただ声明文では、足元のインフレ率の低下などを反映し、予測期間全体にわたりインフレ率を下方修正したことから「利上げが遠のいた」との見方から一時1.3460まで低下しました。
しかし、それでも「次回のアクションは利上げ」との見方に変わりなく下値も限定的、週末に向けて1.3540まで買い戻されて引けました。
オーストラリア・ドルも0.7530近辺でスタート後、週前半は強い米ドルトレンドで0.7410まで売られましたが、徐々に買い戻されて結局0.7540と小幅豪ドル高まで買われて引けました。
ドル円上昇の理由は日系企業によるM&A?
さて、前週特にユーロ・ドルで一段のドル高を試す展開となりましたが、抜けきれず結局行って来い。
ドル円でも110円に再度到達もすぐに調整となりました。今後の一段のドル高には、やはり年内追加3回の利上げを見込む様な展開が必要ということなのでしょうか。
経済指標では、15日の米小売売上が良好な結果となるかがドル高へのカギでしょう。
ひとつ面白い話としては日系の大手証券会社が日本からのM&Aが円安に寄与するとの旨のレポートを出していました。武田薬品による英シャイアーの6.8兆円規模の大型買収とまではいかなくても、成長力の乏しい日本企業が海外の企業を買収するような案件が証券会社には見えているのかもしれませんね。
水曜日の東京時間のドル円の理由のない突然の上昇が実は、武田薬品の買収に絡む円売りだったのではとの憶測もあるようです。真偽はいかに!?
ドル高トレンドが継続するようですが、ポジションを控え目にしましょう
それにしても米株をはじめとしてリスク資産が崩れません。
米国のイラン核合意からの離脱は全くと言っていいほど影響はなく、北朝鮮を巡る問題も落ち着いている中、リスク回避の核的なドル円の下落が抑えられているということでしょうか。
ただ新興国市場の通貨下落トレンドは継続しており、どのような形で株式市場や為替市場に還流してくるかは予断を許さない状況と考えています。
今週についてですが、もうちょっとドル高トレンドが継続してもいいかなという気がしますが踊り場的な調整もあるかもしれないので、引き続き控え目に取引というところでしょうか。
米国10年国債の金利動向にも注目ですね。3%を超えてさらに売られるならば、金利高を背景に一層ドル高が進む気がします。米国債の3%がドル円の110円に相当しているイメージでしょうか。
それでは皆様今週もグッドラック!
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