前週の主要通貨は対米ドルでマチマチの展開となりました。
トランプ米大統領が米朝首脳会談のキャンセルを発表したことから、ややリスクオフ的な雰囲気となりドル円に売り圧力が高まった一方で、政局不安が嫌気されたユーロは対ドルで下落といった展開に。
また新興国通貨ではトルコリラ売りが市場の注目を集めましたね。
米朝首脳会談キャンセルの影響でドル円下落
ドル円ですが、110.80近辺でスタート後、月曜日は再度上値を伸ばし111.40まで上昇したため、当初は「今週もドル高トレンドの継続か?」という雰囲気が流れました。
しかし、その後、水曜日はポジション調整が見られる中、一時109円台まで下落。木曜日はトランプ米大統領が米朝首脳会談のキャンセルを発表したことや、イタリアでのポピュリスト政党による放漫財政への警戒感などからリスクオフのセンチメントとなり一段下落し、一時108円台まで売られました。
米英の休暇を控えて小幅に買い戻されましたが、109.4近辺と久しぶりに週間で円高となりました。
トレンドが変わり続けるユーロ
ユーロ・ドルは1.177近辺でスタート後、月曜日はイタリアのポピュリスト政党台頭への懸念からイタリア国債売りを見ながら1.172まで下落。一転して、火曜日はイタリア国債の買い戻し観測される中1.1830まで急上昇と落ち着かない展開でした。
一旦高値が確認されると、イタリアの新政党によるバラマキ政策による財政悪化懸念といった大きなストーリーに変化がないことや、金曜日にはスペインでラホイ首相に対して野党が不信任動議の準備を進めているとの報道が聞かれ一段売りに拍車がかかり、1.165まで下落して週末を迎えました。
ユーロが上昇し通貨も下落する展開、週末を迎えました。
弱気な他国通貨
ポンド・ドルは1.3470近辺でスタートし、ユーロと同様に週明けは下落でスタート。水曜日に発表された消費者物価指数が市場予想を下回ったことから、上げ見通しが一段と後退。下落基調となり、1.3310まで下値を伸ばしました。その後はユーロと連動して上下しましたが、1.3310と最安値圏で取引を終えました。
オーストラリア・ドルはトランプ政権の米朝会談キャンセルと、それに伴う米中貿易摩擦への警戒感が強い中、値持ちがよく0.7510から0.7550近辺と小幅に上昇しました。
新興国通貨ではエルドアン大統領が金融政策に介入する姿勢を鮮明に打ち出していることへの警戒感からトルコリラが対米ドルで4.7%下落。これで5月月間で16%以上の下落と引き続き混迷を極めています。
再び高まる地政学リスク
さて、再び地政学・政治リスクのヘッドラインが市場を賑わす展開となりました。
米朝首脳会談のキャンセルですが、北朝鮮の外務次官がペンス副大統領を罵ったことや、北朝鮮が中国と結託して即時の完全非核化ではなく段階的な非核化を主張するようになっていたことが理由として挙げられています。
背後に中国がいることから、米中貿易協定に対して不満感の残る米政権にしてみれば全般的に面白くない動きと映り、首脳会談キャンセルの決定に至ったものと推察されます。
米政権にしてみれば、中国、朝鮮から今後とも譲歩を引き出すために有効な戦略と言えるでしょう。実際、週末には「再度米朝会談の実施に向けて再度協議が開始された」との報道もあります。
ポジション保有は計画的に
ヘッドラインが騒がしいですが、FRBの利上げ継続シナリオに大きな変化があるとは考えにくく、今週の雇用統計やISM製造業統計などで米経済堅調が確認されれば、再度ドル円は上値を追う展開となるかもしれませんね。
一方でユーロのイタリア、スペインの政局不安が両国の税制政策の見通しが変わる長期的なイベントとなる可能性があり、ユーロ・ドルの下値攻めは継続する可能性が高いように見えます。
ドル円はここまでの上昇が激しかっただけにポジション調整の可能性があり悩ましいところですが、やっぱり上値を目指す展開に回帰するのでは!?
トルコリラショックなど新興国発のリスクオフに注意しつつドル高トレンドにのっかるトレードで臨む方針で儲けたいところです。
政治的なヘッドラインで相場が一喜一憂する感じですのでポジションは控えめに。。それでは皆様今週もグッドラック!
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