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今週の相場観:2018年6月第5週

前週は貿易戦争激化への懸念からリスクオフムードのとなり、全般に円高の地合いとなりました。

 

ドル円ですが、110.7近辺でスタート後、ドイツの移民問題を巡る政局不安が意識されて上値が重く、月曜日はほぼ横這いで111円になかなか到達出来ない展開でした。

 

米中貿易摩擦が再燃。リスク要因に

火曜日は東京時間から、トランプ大統領が追加で2000億ドルの中国からの輸入品に10%の関税を課すためのリストを作成するように指示したとのヘッドラインを受けてリスクオフへ。欧州時間には一時109.6近辺まで下落しました。

 

その後は底堅い米株の動きや追加でネガティブなニュースがなかったことからじり高となり、木曜日には110.80近辺まで上昇。しかしここでまた上値が抑えられて111円到達に失敗すると再び売りが優勢に。

 

欧州時間には前日に「米中貿易摩擦により中国での売上が大きく落ち込む」と業績懸念を発表していたダイムラー社の株価下落なども意識されて110円を割り込みました。金曜日も週末にトルコの選挙などのイベントを控えて上値が重く、結局109.9台と110円を若干割り込んで週末を迎えました。

 

ユーロドルは、上述のドイツ政局不安からメルケル政権が力を維持できなくなるリスクが意識され、前の週の引け1.1610から低い1.159近辺でギャップオープンしました。

 

欧州時間の入り口では、1.1560台まで下落しましたが、メルケルが対案を出すまで2週間の猶予が与えられていることから、それを見極めようという雰囲気も。加えて、1.1500が重要な下値サポートと見られているため、一旦は1.160台を回復という月曜日でした。

 

しかしその後も政治リスクが意識されてか欧州時間に入ると一旦は下値を狙う展開が継続。木曜日には上述のダイムラーの株価下落などもあり、1.1509と1.1500割れが目前でしたが、今週は何とかここでサポート。1.1660近辺まで切り返して、なんとか上昇しての引けとなりました。

 

ポンド・ドルは,1.3280 近辺でスタート後、年初来の下値更新が意識されて下落傾向へ。イングランド中銀による政策発表のある木曜まで1.3100近辺までじり安となりました。

 

しかし、予想通りの政策金利据え置きだったものの、政策委員会でチーフエコノミストのホールデン氏が利上げ派に転じたことで、8月の利上げが強く意識される結果となり反転上昇開始!1.3260まで切り返して週末を迎えました。

 

独自のイベントがなく方向感の出ない展開でしたが、木曜日のユーロ・ドルの下落に追随して対米ドルで下落。1.340近辺でスタートして1.3280まで下落となりました。

 

オーストラリア・ドルは、米中貿易摩擦の激化が意識される中、上値がやや重い展開でした。0.7440近辺でスタート後、火曜日と木曜日には0.7350まで売られる局面もありましたが、一旦はサポートされ0.7440とほぼ変わらずの水準を何とか保って引けました。

 

米国保護主義政策が為替を揺るがす

さて、再び米国発の貿易戦争の激化が懸念される環境となってきました。。

 

欧州や日本にも同様にハードスタンスで臨んでいるトランプ大統領、中間選挙を前にしたアピールの側面もありますが、まさに「アメリカの製造業を戻そう」という公約そのものです。

 

経済学的には生産性の低い、すなわち相対的に賃金の高い米国で製造することは中国で製造するよりも世界で見れば生産の損失・労働力の非効率な分配となるわけです。しかし、そもそも生産性の高くない米国内のブルーワーカー達にとっては単純労働が国内にある方が名目上は良いわけで、これは結果的としては、国内に賃金上昇圧力をもたらし物価上昇を招く可能性が高いということになると思われます。

 

というわけで、まずは利上げ局面が継続する確率が高いことから、米ドル高シナリオをメインにしたいということに変化はないですね。

 

またドイツの政局不安に対して、EU諸国はメルケル政権を助けるような移民政策を考えるという姿勢を見せていますので、今週どのような案が発表されるか注目です。ドイツの政局不安が継続となれば、ユーロ・ドルへの売り圧力は一気に強まり1.150を下にブレークする展開も見られるかもしれません。

 

ドル円も、貿易戦争懸念がありつつも日銀の据え置きスタンスを考えると、やはり最終的には上値を狙う可能性が高いと思いますので、こちらでもドル買で攻めたいところですね。何というか、ヘッドラインに振らされる展開がしばらく続きそうですのでポジション量にはくれぐれもご注意を。それでは皆様今週もグッドラック!

 

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