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今週の相場観:2018年7月第1週

前週は貿易戦争や欧州移民問題にまつわるヘッドラインが飛び交う中、頻繁に流れが変わるせわしない相場模様でした。

 

主要通貨間では、ユーロが対米ドルで上昇、その他の通貨は概ね対米ドルで下落しました。

 

貿易摩擦の報道に振り回されるドル円

ドル円ですが、109.9台でスタート後、東京時間から貿易戦争に伴う日経平均株価の軟調を受けて109.4まで下落。その後のNY時間ではナバロ米国家通商会議委員長の「中国企業の対米投資制限を計画しているわけではない」との発言で、110円台を回復と月曜日から荒い値動きでした。

 

その後も水曜日にはトランプ大統領が中国の対米投資制限の手法として、「国家緊急法を使っての真っ向対立姿勢ではなくマイルドな手法を使う」とのヘッドラインで110.50まで急騰するかと思えば、その後クドロー国家経済会議委員長が「トランプ大統領の中国への厳しい姿勢に変化はない」とのコメントで売りと落ち着かない展開に。。。

 

ただ週末に向けて、「欧州移民問題に関してEU首脳会議で協力に向けた合意がなされる」との報道が金曜日に流れリスクオンムードとなり、ドル円も110.90まで上昇!しかし、週末前に「米国がWTOから撤退」といった報道もあり110.70まで売られて引けました。

 

ユーロドルに沿った他国通貨。貿易戦争の影響も

ユーロ・ドルは、1.165近辺でスタート後、ドイツの政治不安から1.1630まで一旦下落。バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁の「秋にかけてさらなる措置について議論する可能性がある」との発言から、欧州国債の金利上昇と共に1.170を回復、とこちらも激しめな月曜日でした。

 

その後は週末のEU首脳会議に向けて、移民法案に関する合意がなされるかの不透明感から上値が重く、木曜日には1.1530まで下落しました。しかし、金曜日にEU首脳間で協力に向けた合意がなされるとの報道から反転上昇を開始し、1.1685まで上値を伸ばして週末を迎えました。

 

ポンド・ドルは、ほぼユーロ・ドルに沿った動きでした。1.3260近辺からスタート後、週初は強く推移しましたが、ユーロの下落に伴って下落しとなり、木曜日には1.3050まで到達しました。ユーロ同様に金曜は切り返して1.3210で引けました。

 

オーストラリア・ドルは、0.7440からスタートし、米中貿易戦争の影響を受け易いとの思惑から終始売り優勢となり、一時0.7320近辺まで売られましたが、0.7405まで切り返して引けました。

 

政治要因に振り回されるも米ドルはしばらく堅調

さて、政治的なヘッドラインが相場に影響を与える不安定な展開ですので、なかなか腰の入ったポジションを取りにくい時間帯が長く続きそうな予感です。

 

有名企業からも貿易戦争への懸念が聞かれるようになってきました。先日も書きましたが、高級バイクで有名なハーレーダビッドソンはEUの関税引き上げの影響で9,000万~1億ドルのコスト増に繋がると試算し、EU輸出分の生産拠点を米国から海外へ移すプランを検討していると発表しました。

 

またウィスキー、ジャックダニエルの生産で有名なブラウン・フォーマン社も関税の影響で、欧州にて10%程度の販売価格引き上げを計画していることを発表と様々な業種で影響が見られ始めると思われます。

 

週末にはGMやトヨタが自動車関税に対して反対を表明しており、最終的にどこに落ち着くのかまだまだ予断を許さない状況です。当然として、企業の設備投資意欲が減退しやすい他、貿易関税が高くなると物価の上昇を招きやすいことから、消費者のマインドも冷えることになり景気へ悪影響が出てくる可能性が高まっていると言えるかもしれません。

 

この影響が強まる前まではFEDは緩やかな利上げ姿勢を保つと思われ、相対的に米ドルが買われるとは思いますが、その後の景気減速、米国の利上げ休止を市場がいつ織り込み始めるかが今後1年くらいで見た時の大きなテーマであり、米ドル売りが一斉に始まると思いますので要警戒です。それまでは米ドル堅調がやはりメインシナリオと思われますので、引き続きドル円の上値更新や、ユーロ・ドル1.150へ向けた動きなどにポジションを取っていきたいところです。

 

とは言え、あまりにヘッドラインが多いことや、そろそろ夏のバケーションシーズンで市場参加者が減ることから、値動きが荒くなりがちですので、ポジション量はくれぐれも抑え目に!!それでは皆様今週もグッドラック!

 

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