FXコラム

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今週の相場観:2018年8月第4週

前週は、トルコを巡る情勢や米中貿易摩擦の問題にかかる報道でリスクオン・オフが頻繁に入れ替わる不安定な相場模様でした。

 

典型的な夏休み相場というところでしょうか。

 

トルコ情勢の影響で不安定なドル円

ドル円ですが、週末にトルコのエルドアン大統領が全く歩み寄りの姿勢を見せず、一部市場で期待されていたIMF(国際通貨基金)による救済を受けることはないとの報道があったことから、月曜の朝一からトルコリラ円が急落。ドル円も110.90から110.70程度に窓を開けてスタートしました。

 

週明け早々のリスクオフの雰囲気が漂う中、アジア時間に一気に110.10まで下落。110円がサポートされた後は徐々に回復し、牧師開放間近との報道もあり111円手前まで買い戻されました。

 

火曜日ロンドン時間からトルコリラが急速に買い戻されたのに従ってドル円も上昇を開始。水曜日には111.50近くまで買い進まれました。

 

その後NY時間にテック大手のテンセント株が決算失望で急落すると米株式市場が軟調な展開となり、ドル円も失速。水曜の引けには110.70まで下落しました。

 

木曜日は「米中が8月に貿易協議を行う」との報道と、ムニューチン米財務相が「牧師を釈放しないとトルコに追加制裁」との報道が打ち消し合ってほぼ横這い。金曜日は再び前日のトルコ追加制裁を警戒され、ドル円も軟調となり110.30まで売られましたが、NY時間に11月にもトランプ大統領と習近平国家主席の会談を目指すとの報道が好感され、110.60近くまで持ち直して週末を迎えました。

 

ユーロ円に左右されるユーロドル

ユーロ・ドルは、テクニカルに下値が狙われ易い雰囲気の中、ユーロ円の動きに左右される展開でした。週明けのトルコリラ円の下落を受けて、ユーロ・ドルも1.140割れからスタートし、1.1360まで売られました。

 

その後はユーロ円の回復から1.1430台まで買い戻しとせわしない相場が続き、水曜日のNY時間に上記のテンセント株の下落からクロス円が崩れ始めるとユーロ・ドルも1.1300を一瞬割り込むまで売られました。

 

なんとか持ちこたえると、そこから週末にかけてはトルコリラが比較的無難に推移したことや米中貿易トークでクロス円が持ちなおしたことで反発し、1.1440まで買われて週末を迎えました。

 

他国通貨は概ねクロス円主導

ポンド・ドルも、ユーロ同様にややギャップダウンして1.2750近辺からスタートし、やや下落するも火曜にかけて1.2830台まで買い戻される展開でした。

 

その後の米株下落とクロス円の下落で1.26610まで売られ、その後は鈍いながらユーロと同様に買い戻し相場、1.2750まで上昇して引けました。

 

オーストラリア・ドルも概ね、クロス円主導の展開、月曜日東京時間は0.727台とギャップダウンしてスタートし、若干買い戻された後に水曜日の米株下落。クロス円下落の流れで0.7200まで売られました。

 

その後の回復局面では、米中貿易協議が進めばオーストラリアの最大の貿易相手国である中国経済の持ち直しが期待されることもあり他の通貨と比較して大幅に買い戻され、0.7310台まで買い戻されての引けとなりました。

 

突然の政治ヘッドラインに要注意

さて、引き続き政治ヘッドラインに左右される相場が継続しました。

 

トルコの強硬姿勢は崩れず、IMFの救済もなしとのことですので、米国へ牧師を返還しない限りはやはり売り方向で、相場にリスクオフの雰囲気を持ち込んでくる材料ですね。

 

米中協議はトランプ大統領が中間選挙へ向けたパフォーマンスとして大いに利用したいイベントであることから、11月に向けて徐々に状況は改善していくものと思われ、先週見られたようにリスクオンの材料となりやすいと考えます。

 

どちらの材料にせよ、いつ報道がくるかわからないので、なかなかポジションが取りにくい状況に変わりはないということでしょうか。まだ夏休みの8月、あまり無理はしないようにしましょう。

 

欧州失速の兆候

さてさて欧州でまた動きが。。。

 

メルケル独首相は、極右のデモを受けて、難民の本国送還強化を表明しました。一貫して難民受け入れに前向きに取り組んできたメルケル首相の態度の変化は、やはり政権基盤の弱体化の現れのように見えます。

 

またイタリアの高速道路の崩落事故で高まる財政支出削減への批判にも注目です。

 

EUの財政規律に沿ったため、高速道路の補修がおろそかになったとの論調もあるので、イタリアがEUへ反旗を翻すといった政治イベントに発展すれば、ユーロ売りの流れが強まることは必至と言えるでしょう。。。恐ろしい限りです。。

 

ファンダメンタルズ的にはドルの一強状態ですが、新興国を巡る情勢の悪化、欧州の失速、米中摩擦と世界経済が思わずネガティブイベントを受けた時、FEDが利上げ姿勢を維持出来るのかに注目ですね。引き続き政治イベントが多そうですので、ストップは置いた方が良さそうですね!では皆様、今週もグッドラック!

 

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