前週は、トランプ米大統領の米ドル高けん制発言を背景に米ドル安が進展しました。
ドル円は110.6近辺からスタートし小幅に上昇した後は、トランプ米大統領のFEDの利上げ継続に対する不満表明や「中国と欧州は為替を操作している」、「今週の貿易協議で中国から多くを予想せず」、という一連の発言が聞かれ、一気に米ドル売りの展開となり火曜の東京時間には109.8まで下落しました。
利上げ継続確認でドル円は上昇
しかし、その後は米株市場が堅調を維持していることもあり、何となくリスクオンの雰囲気に。ユーロ円やポンド円などクロス円の上昇に併せてドル円も押し上げられ、火曜日NY時間に110.5を回復。FOMC議事録では引き続き緩やかな利上げ政策の継続が確認され、ドル円をサポート。木曜日には111.30まで上値を伸ばしました。
金曜日に注目されていたパウエル総裁のジャクソン・ホールでの発言ですが、トランプ大統領の利上げけん制発言をスルーしつつ、緩やかな利上げ継続を再確認。ドル円は111.50手前まで上昇しました。
しかし、インフレ率の見通しに対してやや弱気ともとれる発言をしたこともあり、週末にかけて売り戻されて、111.20近辺で週末を迎えました。
クロス円に準じて上下した他国通貨
ユーロドルは1.1440でオープン後、欧州時間の中盤までは売られて1.1400を一時下回りました。しかし、その後は、トランプ大統領のユーロ安けん制や、クロス円の上昇を材料に一本調子に上昇となりました。
月曜日には1.1500手前まで、火曜日には1.1600まで上昇。その後若干売り戻されましたが、金曜日には一時1.1640までの上昇劇を演じました。週末に向けて多少売り戻され1.1620近辺でクローズに。
ポンドドルも1.2750近辺からスタートし、1.2730まで若干売られた後は、トランプ大統領の利上げけん制発言から買いに転じ、ユーロ円同様にポンド円の上昇から水曜日には1.2940近辺まで上昇しました。
その後は、ユーロポンドのペアでポンド売りとなったこともやや重石となり、週末に向けて1.2850まで売られて引けました。
オーストラリアドルも水曜までは他通貨と似た動き、0.7310近辺からスタートし、若干売られた後トランプ発言を機に上昇、火曜日に0.7380を付けました。
しかし、そこから、与党支持率低下を背景にターンブル首相の交代劇が起こり、政治不安から一時0.7240まで下落となりました。結局次期首相が、市場に友好的とされるモリソン現財務相に決まったこともあり0.7330近辺まで買い戻されて週末を迎えました。
トランプ大統領の利上げ批判
「またかー」という感じですが、米トランプ大統領による利上げ批判が聞かれました。
中央銀行の独立性を汚すトルコ並みの蛮行にやや嫌気もさしてきますが、これもマーケットなので仕方ないですね。ポジションを抑え目にして対処するしかないです。
さて、前週目を引いたユーロ・ドルの急上昇ですが、IMMのポジションでついにユーロ・ショートに転じたことなどがテクニカルに後押しされたという解釈が成り立つのかもしれません。
「来年9月まで利上げはしない」、とのドラギ総裁の言葉を信じるならば、もう少しユーロ売りで攻めてもいい気もしますが、今年の上値の1.2400近辺からすでに下落トレンドの節目と言われる1,000pips下げを演じたことも一旦買戻しの要因なのかもしれません。引き続き、中期的なトレンドがどちらに向くか注目です。
総裁選挙のシナリオ
ドル円の材料で注目は一応、自民党の総裁選挙と言っておきましょうか。安倍首相も出馬表明をし、3選を目指すとのコメント。
日経、テレビ東京による最初の世論調査では、 安倍氏39%、石破氏31%、野田氏4%と首相が先行しているとの結果が出ています。恐らく株価の急落など、何かが起こらない限り、安倍氏の再選がメインシナリオでしょう。
そうなると、現在の日銀とのタッグ体制がもう暫く続くということになると思いますので、やや円安に向くかもしれませんね。でも結局はアメリカの利上げがどこまで行くかの方が重要と思われます。
今週のGDPやPCEデフレーターといった指標を注意深く観察して今後の見通しに役立てたいところですね。では皆様、今週もグッドラック!
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