前週は、金曜日に米トランプ大統領の、「中国製品2000億ドル相当への新たな追加関税政策を指示した」、との報道で、せっかくの買いムードが腰折れに。。。
しかし、それまではおむねリスクオンの雰囲気の中、円安、クロス円高の展開でした。
ドル円は上昇も追加関税報道で急ブレーキ
ドル円ですが、111円近辺でスタートし、終始上値を探る展開でした。
日米の貿易協定への懸念は残るものの米国株が堅調を維持。米国債金利が上昇となる中で火曜日に111.60台まで上昇。水曜日にやや押すも木曜日には久しぶりに112円まで上昇しました。
米10年国債金利が大台の3.00％を伺う展開で、ドル円も金曜日には112.20手前まで上昇して、「さらに上値を！」というタイミングで上記の追加関税報道が聞かれ、ドル円とクロス円は反転下落へ。。。
ただ、クロス円と比較してドル円の下落は111.90近辺までにとどまり、112.05と7月来の112円台の引けとなりました。
ECBの政策金利据え置きを受け上昇したユーロドル
ユーロ・ドルは、1.1550近辺でスタート。イタリアのトリア財務相が週末のフォーラムで負債圧縮と財政赤字抑制の必要性を強調したことが好感され買い基調。月曜日に1.1630近くまで上昇しました。
その後は木曜日のECBを前に行って来いのレンジ相場ながら、ユーロ円の買にも支えられて下値は堅い印象で推移しました。
さてECBですが、予想通り政策金利は据え置き。「来年夏までは政策金利据え置き」の方針を再度表明、経済成長の見通しは若干引き下げられましたが、資産買入れについては10月より半減。年内に終了としたことから、「金融緩和縮小に向けた動きに変更はなし」と見られユーロ買いで反応、1.1700まで上昇しました。
金曜日も1.1720まで上昇を見せましたが、トランプ大統領の追加関税発言でクロス円が下落したことで急ブレーキ、1.1620まで一気に売られて週末を迎えました。
トランプ大統領の発言で上下した他国通貨
ポンド・ドルは、1.2920近辺からスタートし、ユーロと同じくやや上値を見ながらの展開でした。
欧州連合離脱に向けた交渉が数週間のうちに合意に至る期待との報道やそれを否定するような報道で一喜一憂しますが、おおむね合意へ向けた期待買いということなのか、火曜日には1.3090近くまでの上昇を演じました。
その後は木曜日のBOEに向けてポジション調整か1.300を割り込むなど落ち着かいない動きに。
しかし、クロス円が堅調であったため下値を固めつつBOEのイベントを迎え、結果は予想通りの据え置きでしたが、利上げの必要性については引き続き言及されていたことで1.3120台まで上昇。
金曜日も上値を伸ばしましたが、トランプ発言で失速、1.3070近くまで売られて引けました。
オーストラリア・ドルは0.7100近辺でスタート後、火曜日までは小動き、その後リスクオンの展開で上昇を開始。木曜日に雇用統計が強い内容となったことで0.7230まで上昇しました。
しかし金曜日は、再びトランプ発言による米中貿易摩擦懸念から反落、0.7150近くで引けました。
消費者意欲は経済にどう影響するか
さて、トランプ大統領の追加関税政策に全く変化はなく、中国の株式市場は下落基調となっています。
一方で、金曜日に発表されたミシガン大学の消費者センチメント期待指数はなんと14年ぶり（！）の高水準なのです。
これは、米国の消費者的には、今のトランプ政権の政策を受けて消費機運が今までにないほど上向いているということなのですが、中国経済が失速して旅行者の数が減れば当然にインバウンド消費が減ることになりますので、本当に経済が上向くのやらと不安になります。
特に高級品への購買意欲が強い中国人の勢いが鈍化すれば、米国、日本もただでは済まないはずです。
また中国からの輸入品が高くなることにより、さまざまな財の製造コストが上昇するわけですので、いずれかの時点で悪性のコストプッシュインフレが起こることになりそうですが、もうちょっと先になるイメージなのでしょうか。
米国企業が収益性をなんとか保てているうちは、米株高を受けた米消費者のセンチメント上昇のロジックが働きそうです。。。。
今後も米中間選挙が落ち着くまでは、民主・共和党間の舌戦も激しくなりそうですので、政治主導の相場ということになりそうですね。
年末に向けて現在の米ドル一強相場のトレンドが反転するのか、またはその動きが強まるのか、9，10月は非常に重要な月と考えますので、慎重にトレンド判断したいですね。年末に向けて本当に踏ん張りどころ！！では皆様、今週もグッドラック！
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