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今週の相場観:2018年9月第5週

前週は、トランプ政権が中国製品2000億ドル相当に対する関税発動が発表されましたが、関税率が10%と予想されていた25%を下回ったことや、中国政府からの報復関税の対象が米製品600億ドルに留まったことが安心感につながりました。

 

S&Pやダウ平均といった米株指数が年初来高値更新を続けリスクオンムードの中、円安、ドル安、クロス円高の展開となりました。

 

予想を下回る関税率でドル円は上昇

ドル円ですが、112円近辺でスタートし、週初はトランプ政権の関税発動に関する報道からやや鈍い動きとなり、火曜日の東京時間には111.70まで下落しました。

 

しかし火曜日のNY時間から様相は一変、関税率が予想されたほどではなくリスクオンという解釈なのか、米株上昇、米国債金利上昇にけん引されて、ドル円も112.40まで上昇、木曜日はクロス円が上値ブレイクとテクニカル面での強気要因と米株上昇で112.60まで上昇となりました。

 

金曜日も強気のプライスアクションは維持され112.90まで上昇しましたが、そこで英国のメイ首相からBrexitに関する交渉が平行線をたどっている旨の発言があり、ポンド円を始めとするクロス円に調整が入ったことにつられてドル円も下落、112.60近辺まで売り戻されて週末を迎えました。

 

クロス円の影響で上下したユーロドル

ユーロ・ドルは、1.1620近辺からスタート、月曜日は特に理由も見られない中で1.170手前まで上昇しました。

 

オプション設定の水準が意識されてか、1.170を挟んだレンジで1.1720近辺に到達すると下落、1.1650では買い戻しといったレンジ相場が水曜日まで継続しました。

 

木曜日にはリスクオンのムードを受けてクロス円が強い上昇を見せたことに連動して、ユーロ・ドルもついに強いレジスタンスとなっていた1.1740地帯を突破、ショートカバーを巻き込んで1.1780まで上昇しました。

 

金曜日もクロス円と共に上昇を続け、1.1800をブレイクしましたが、そこで上述のメイ首相のBrexit交渉への否定的な発言を受けて、クロス円につられて急降下となり、一時1.1730まで下落、1.1750近辺まで買い戻されて引けました。

 

メイ首相の発言を受け下落したポンドドル

ポンド・ドルは、1.3070近辺からスタートし、週初はユーロ同様に一気に1.3150まで上昇、その後はしばしレンジ推移、水曜日はBrexitの合意に向け良好との報道で1.320を超える上昇と思いきやそれを否定する報道で1.3100まで下落とせわしない動きが見られました。

 

木曜日はクロス円につられて、大きく上値を伸ばし1.330目前までの上昇とテクニカルには上値をブレイクしたように見えました。

 

しかし、メイ首相の否定的な発言を受けて急落、1.3070近辺とほぼ週明けと変わらない水準で引けました。

 

オーストラリア・ドルは0.7150近辺でスタート後、他の主要通貨同様に月曜は上昇して0.7200手前まで、その後中国の報復関税報道で0.7150まで下落も、その後は上述のとおり米関税比率の低さ、中国の報復の範囲が限定的との安心感から上昇トレンドに転じて週を通じて上昇となりました。

 

0.7289と9月高値を更新して引けました。

 

ブレグジット交渉による大型トレンドは発生するか

さて、トランプ政権の中国への関税政策による圧力強化と中国からの報復の激化という構図に変化はないものの、意外なほど力強い米株式市場を背景にリスクオンセンチメントが強まった週でした。

 

クロス円、欧州通貨が上方向にブレイクを見せ、トレンドが出るか??と思いましたが金曜日はメイ首相の発言でポンドが急落して一服となりました。

 

今週のFOMCでは利上げが予想されていますが、これは既に市場で織り込み済みであることから、よほど強い経済見通しが示されなければ米ドル安になりやすい材料かなと思います。

 

そういった意味でBrexit交渉懸念が少し弱まれば、欧州通貨、特にユーロが対ドルで上昇トレンドを見せる可能性もあるかと注目します。

 

今年最後の大型トレンドが発生するか否か――、結果はいかに。

 

円安基調の反転は当分先か

日本では安倍首相の3選があっさりと決まり、これでしばらくは低金利政策の継続ということなのでしょうが、期中のどこかの時点で異次元緩和政策の反転が視界に入ってくる可能性があり、円安基調が大きく反転することも心にとめておいた方が良いかと思いますが、1年以上先でしょうか……。

 

基本的には米国の金融政策が大きく影響するはずで、あと何回FRBが利上げするかが焦点でしょう。コンセンサスは今年9、12月の2回、来年1回強といったところでしょうか。

 

ドル円もジリジリ今年の高値を目指して上昇していますので、基本的にはこの流れに乗るのが正解の局面に見ます。押し目買いスタンス継続ですかね。

 

さー、年末に向けトレンドが出るのか、期待したいところです!!では皆様、今週もグッドラック!

 

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