週末に予定されていた英議会での離脱案の採決が延期されるという異例の展開。
先週の為替市場を一言で表すと「ポンド売り」、ポンド円も売りからスタートしました。
Brexitヘッドラインで上下したドル円
ドル円は108.40台からスタートし、月曜日の東京朝方に108.30割れまでスルッと低下しましたが、ただ混乱しているように見えても「合意なき離脱」の可能性がほぼなくなってきていることからポンド円にサポート買いが入り、ドル円もすぐに持ち直しました。
月曜日には108.70手前、火曜日の東京時間には108.70を上抜けましたが、欧州時間に入ると、EUサイドから英国の離脱期限の延長申請についていくつか非難するコメントが。
これらの発言を受けて、英議会での離脱関連法案の採決の前にドル円は下落し始めじり安の展開になりました。
注目の英議会では、EU離脱協定法案が第2読会(最終的な審議、採決の手前の段階の審議を行う会)で可決され一時上昇。その後、上記の法案を早期に成立させるための審議日程は否決されたため、10月末までの離脱実現は不可能という結果に。。。
その不透明感からか、ポンド円の下落につられてドル円も下落、水曜日の東京の朝方に108.20台まで押されました。
しかし、ここからは再び米中協議の進展に対する期待感で米株&日本株が堅調であったことや、最終的にはEUは離脱延期を認めて、イギリスも混乱を経て「合意なき離脱」を回避するとの見方が強く、買い戻しが優勢となり、NY時間には108.70まで上昇しました。
その後は狭いレンジで推移し、108.70手前で週末へ。
ハト派ECBで下落したユーロドル
ユーロドルは週末のBrexitにかかる離脱協議採決の延期を受けて、1.1160近くと前の週の引け1.1170近くから小さく下に窓を開けてスタートし、木曜日のECBを前に自律的な動きは少なくポンドとおおむね連動して動きました。
月曜日は一時楽観的なムードから1.1180まで上昇しましたが、上記の通り議事進行を早める動議が否決されたことで10月末までの離脱が不可能となったことから、じりじり売られ水曜日には1.1100台まで下落。
やや買い戻されて迎えた木曜日、まずはフランスの景況感指数が予想を上回って1.1160まで上昇したかと思ったら、直後に発表されたドイツの景況感がさえず1.1120まで売り戻されてECB会合へ突入です。
政策金利は予想通りの据え置きでマイナス0.5%。
ドラギ総裁の最後の記者会見では「異例の緩和の出口は遠のいた」「しばらくの間は、極めて緩和的な政策が必要と見込む」「必要ならばあらゆる手段を調整する用意がある」とユーロ圏の経済の弱さを背景として緩和トーンを維持しました。
また、11月から再開される量的緩和政策を必要な限り維持することが再確認されました。
特に目新しい材料はありませんでしたが、ハト派トーンを受けたユーロは1.1100割れまで下落となりました。
金曜日はドイツのIfo企業景況感が予想を下回ったことで若干上昇しましたが、結局緩和トーンの継続を背景に売られて1.1080近く下落して引け。
離脱延長を受けポンドドルは荒い値動き
ポンドドルは予定されていた離脱協議の採決見送りを受けて1.2950と、前週の引けから下に窓を開けてスタート。
不透明感に対する売りで東京時間に1.2880割れまで売られました。
その後は楽観的な見方から一時1.3000を再度回復と荒い値動きに。
火曜日はEU側の延長批判で1.2900まで売り、上記法案の第2読会通過で1.3000まで買い、採決を早める動議の否決で10月末離脱が不可能となったため1.2860台まで売り、とせわしない状況でした。
またジョンソン首相が総選挙を行う意向、労働党のコービン氏が拒否などとヘッドラインが入り乱れて一時1.2800割れまで下落したものの、最終的には1.2830近くで引けました。
オーストラリア・ドルは小幅な値動きに終始です。
0.6850近くからスタート、英離脱に対する楽観ムードで火曜日途中までクロス円の上昇を支えに0.6880超えまで上昇。
その後は上記の10月末離脱不可能との状況からクロス円の売りにつられてダラダラと木曜日に0.6820割れまで下落しました。
週末にかけて米中協議の進展を匂わす報道から0.6840手前まで買われる場面もありましたが、詳細な情報が出なかったため、売り戻されて結局0.6820近くで引け。
不透明感漂うもBrexitは最終局面か
さて相変わらずヘッドラインの激しいBrexit関連ですが、そろそろ最終局面と考えても良いのではないでしょうか。
欧州サイドも議論が建設的に進む限りは延長を認めそうな態度を示していますし、英国サイドでも時間をかけて協議すればなんとか採決で離脱案を承認できるような雰囲気に見えます。
総選挙をしても、ジョンソン首相率いる保守党が優勢に見えますので、「合意なき離脱」の可能性はかなり低いと考えられます。
あまりポジションを膨らませなければポンドの押し目買いも有効な気がします。
一方で米中貿易協議ですが、金曜日にライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューチン米財務長官は中国の劉鶴副首相と電話会談を行い「交渉が最終段階に近づいた」との報道がありました。
11月のAPECで米中首脳会談が開催され、部分合意にサインするという筋書きがどうやら実現しそうな雰囲気です。
また今週のFOMCにおいては0.25%の利下げが予想されるわけですが、結局ドル安材料とはならないかもしれません。
むしろ、上記Brexit関連、米中協議が落ち着きを見せれば足元底堅く推移している株価が一段上昇、リスクオンの円安と言ったシナリオもあるかな、とも思われます。
というわけで今のところドル円は引き続き買い目線、ユーロは独自にはハト派色が強く売り目線ですが、ポンドの影響が大きいので静観でしょうか。
ニュース主導の動きにくい相場ですが、焦らずにじっくりと動いた方向についていくことを心掛けて年末まで、なんとか乗り切りましょう。
それでは今週もグッドラック!
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