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今週の相場観:2019年11月第3週

前週も引き続き、米中合意に向けた期待感や、既存の関税についても撤廃の方向との報道が聞かれてリスクオンの雰囲気が続きました。

 

さらに、米国債金利が大幅に上昇し、これもドル円やクロス円の上昇傾向を後押しした格好です。

 

ただ金曜日にトランプ大統領から「まだ関税に対して合意はしていない」との発言が聞かれドル円、クロス円が失速。。。

以上が先週の大きな流れになります。

 

米中関税撤廃への期待で上昇したドル円

ドル円は、108.2台からスタート、東京時間は祝日で静かでしたが、欧州時間から徐々に上昇を開始しました。

 

FOMCで低金利環境が相応に長く続くことが示唆された他、相対的に高金利通貨であることが評価されているということでしょうか、米株の上昇は継続してリスクオンのドル円上昇が継続。

 

火曜日には米経済のカギをの握るとみられるサービス業関連のISM非製造業指数が市場予想を上回り109円を突破、上値を109.20台まで伸ばしました。

 

翌日、中国から12月15日に予定されている関税を先延ばしにするだけでは割に合わないとの発言がきかれ、一旦下落基調へ流れ、木曜日には108.60台まで下落。

しかし、「既存の米中関税についても段階的な撤廃に合意」といった報道が流れて再びリスクオンに回帰!

米国債金利の急騰、109.50手前まで上昇と市場は荒れ模様となりました。

 

金曜日も109.40台から上値を狙うかと思われましたが、トランプ大統領から「すでに発動している関税撤廃については合意はしていない」と発言。。

売り戻しで109.20台での引けでした。

 

ドル高の影響で下落した欧州通貨

ユーロ・ドルは、FOMC後の買いもあり直近の高値圏1.1160台でスタート。

 

米中関係の楽観的な見方からユーロ円のサポートもあり1.1180近くまで上昇しましたが、高値警戒感からの売りもあり、また米国債金利の上昇から米ドル買いの勢いもついてユーロ・ドルは徐々に売られる展開へ。

 

月曜日には1.1120台まで下落、ISM非製造業の結果で一段売られて火曜日には1.1060台まで下値を伸ばしました。

しばしレンジ推移した後、金曜日のトランプ発言でクロス円の売りが入り、結局1.1020割れまで売られて週末クローズ。

 

ポンド・ドルは、1.2940台からスタート、ユーロ・ドル同様に米ドル買いの流れに抗えず週を通じて下落。

英中銀が金融政策を予想通りに据え置きましたが、当局の景気への見通しは予想より厳し目であったことや総選挙を巡る不透明感から一段下落、1.2770台まで調整して引けました。

 

注目されていたEUの態度ですが、早々にトゥスク大統領から延期を一月末まで認めるとの報道がきかれ1.2880を回復。

その後、選挙を巡る不透明感があり上下しつつもおおむね「合意なき離脱」は与野党とも議論に入らないとの方向であることが明らかになってくるにつれて上昇傾向となりました。

一時1.2980近くと1.3000を伺う展開でしたが、一応は警戒売りも見られて1.2940台で引け。

 

オーストラリア・ドルは、0.6900台からスタートし、週初から豪ドル円の買いにサポートされて0.6930手前まで上昇.

しかし、週後半は米ドル買いやトランプ大統領の関税合意なし発言で下げて結局0.6860台まで下落して週末へ。

 

個人消費伸び悩みは景気後退のシグナル

さて、今年も残りわずかですが、相場の大きな材料は引き続き米中ネタであることは昨年と同じでしたね。

これは米大統領選が行われる来年も継続する可能性が高いので、変なヘッドラインに巻き込まれる可能性を減らすために取引時間を短く区切っていくという方策が必要な気がします。

 

とてもポジションを持ったまま寝られる状況ではなさそうです(寝ちゃっていますが汗)。

 

さて政治ネタからちょっと距離を置き、米景気を支える個人消費について、気になるニュースがWSJ紙で見られました。

個人消費の一大要因である自動車についてです。

 

最近自動車ローンの残高が自動車の中古価格価値を上回るいわゆるネガティブ・エクイティ状態の債務者が非常に増えているとのこと。

 

ということは消費サイドから見ると、お金を借りられる余力がなくなり自動車をはじめとする個人消費全般が今後伸び悩む可能性が大きい、ということになります。

 

金融危機以降、消費者はお金を使うことに慎重となり、借入を増やして消費を拡大していくサイクルが終焉を迎えてきている気がします。

フォードなどの自動車会社の信用格付けが低下傾向であることもその証左と言え、やはり「米経済は一旦どこかで景気後退するのでは」という気もします。

 

その時に備えて、FOMCは金利引き下げの余力を残しておきたいということかもしれません。

 

いつそのような状況になるかはわかりませんが、その時は米ドル安が本格化する時であり、タイミングを頭の片隅で考えておきたいところです。

まあ、今すぐではないでしょうけれども。。

 

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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