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今週の相場観:2019年11月第5週

先週は「金曜日までは米中の第一次合意に不透明感あり」との報道が主となり、ややリスクオフ気味に推移しました。

 

また、米国で香港人権法案が可決され、中国が内政干渉だと反発したことも市場雰囲気の重石に。

 

 

米中協議の報道で上下したドル円

ドル円は108.8台からスタート。

 

前の週の金曜日にクドロー経済顧問の米中協議に対する前向きな発言の雰囲気を引き継いでするすると上昇しNY時間には109.10近くまで上値を伸ばす場面もありました。

 

しかし、そこでまた中国高官の話で、「米中合意に悲観的」との報道が流れて一気に108.50台まで売られる展開。

 

火曜日は欧州時間からややドルが買われて108.80台を回復も、米住宅着工指数が軟調でまた108.40台まで売られて上下を繰り返しました。

 

水曜日は、東京時間に米上院が香港人権法案を可決。

「中国は法案成立ならば報復を示唆」とのヘッドラインも流れ一時108.30台まで下落します。

持ちこたえて買われ始めるも、NY時間にロイター社から、米中合意が年内に達成されない可能性が報道され再び108.40台に押し戻されました。

 

木曜は悲観的な雰囲気の中、108.20台まで売られて一気に下を目指すかと思いきや、中国の劉鶴副首相が「合意に慎重ながら楽観的」との報道でドル円は108.60台を回復。

その後も中国はさらなる協議で米国通商交渉担当者を招くといった報道も見られ、双方ともぎりぎりまでいい条件を引き出すためにせめぎ合っている様が見られました。

 

ドル円は一進一退を繰り返し結局108.60台で引け。

 

クロス円主導で推移した欧州通貨

ユーロ・ドルは、米中協議に絡んだユーロ円の動きに左右される時間帯が長く、週末に向けては経済指標の悪化から下げ足を早めました。

 

週初はクドロー発言を受けた楽観的な雰囲気でクロス円が上昇し、1.1050からスタートして1.1090まで伸長。

ただNY時間からは米中協議に不透明感報道が出たので失速、水曜に向けて1.1050台まで押し戻されました。

 

21日に期限を迎える1.1090に設定されたオプションが市場で注目される中、木曜は上値トライも1.1100ブレイクに失敗すると上値の重さが感じられ、金曜日も売りが優勢に。

ユーロ圏の先行き景況感指数が悪化していたことを受けて一段売りが強まり1.1020近くまで下落して引けました。

 

ポンド・ドルもクロス円主導の動き、1.2900近くからスタートし、ポンド円の上昇に合わせて1.2980台までまず上昇。

その後米中協議、香港人権法案などで売られて水曜日には1.2900割れまで下落しました。

 

劉鶴副首相の発言で持ち直し再度上昇を開始し、1.2970台まで上値を伸ばしましたが、1.3000の重さが意識されて徐々に下落へ。

結局景気指標が悪い、「労働党のマニフェストが社会主義的すぎる」といった材料で調整に拍車がかかり終わってみれば1.2830まで売られて引けました。

 

オーストラリア・ドルは、0.6820台からスタート。

米中協議に対する不透明感から終始上値の重さが意識されました。

また必要があれば利下げもとのスタンスを金融当局がとっていることもあり、買いにくい状況でじりじりと下げて、0.6790手前と小幅に下落で引け。

 

年末にかけて荒い値動きに注意

年末のホリデーシーズンが近づいてきました!

 

これから取引量は本格的に減って来ますので、米中のニュースやイギリスの総選挙で荒い値動きになりそうなので要注意ですね。

引き続き米中のつばぜり合いが続いており、一筋縄では行かなそうです。

 

結局は、「知的財産権のところで中国が妥協しない限り米国との包括的な合意はない」というのが長い目で見た時の結論でしょうか。

 

トランプ大統領も安易な妥協はしたくはないでしょうが、大統領選挙を控えて何か成果を見せたいところですので、選挙のない中国が交渉の場ではやや有利なのではと思います。

 

週末も米連邦通信委員が、米国内の通信社に対して、中国のファーウェイとZTEの製品を使わないように求める方針を正式に決定しました。

新規購入だけでなく、既存製品の撤去・交換も求めていることから民間サイドでも中国製品を本格的に締め出す方向へ舵が切られています。

 

週明けもややリスクオフ気味に始まるかもしれませんね。

 

うーん、国と国の覇権をかけた戦いの激化で昨年12月の株安の二の舞が起こらないとよいのですが。ちょっと警戒しながらこわごわと勝負ですかね。

 

しかし日本は全く蚊帳の外で悲しい感じです。

「桜を見る会」で騒ぐ政治家、マスコミ……。

技術が進歩しそうな雰囲気は全くないですね(涙)。

 

それでは皆様、今週もグッドラック!

 

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