先週は、英国の「合意なき離脱」は大方の予想通り回避され、株式等のリスク資産の上昇トレンドが継続しました。
特に週末にかけてドル円、クロス円の上昇が目を引きましたね。
堅調な株式市場にドル円は112円を回復
ドル円は、111.70近くからスタート。
雇用統計明けの東京時間で特に材料もないはずですが、ヘッジファンドの売り仕掛けが噂され111.40割れまで下落しました。
その後も112円抜けに失敗したことや、10日予定の臨時欧州首脳会議を前に一応の警戒感もあり、一旦はドル円のロングを解消する動きで下値を模索。
火曜日に一時111円割れ、水曜日は110.80まで下値を伸ばしました。
日本時間の木曜日明け方「、英離脱の最終期限を10月末まで延期」との報道が流れると短期的な不透明感の払拭からロング再構築の動きとなりました。
木曜日には111円割れの水準から111.70を付け、金曜日も米大手銀行のJPモルガンが好調な決算を発表して好調と株価に引っ張られて上昇し続け、ついに節目の112円を回復して週末を迎えました。
クロス円に支えられ上昇したユーロドル
ユーロ・ドルは、1.1210近くでスタート。
週明けは合意なき離脱リスクを抱える対ポンドでの上昇が支えとなり対米ドルでも1.1270台まで上昇。その後は木曜日のECBイベントを控えて方向感の出ない展開でした。
さて注目のECBですが、金融政策は据え置かれ、再び「2019年末までは現状の金利維持」が繰り返されました。
ただ、ドラギ総裁の会見で「経済見通しは弱い」としハト派継続。しかし、「深刻な不況の可能性はそれほどない」とトーンとしては弱気一辺倒でもない内容でした。
市場は一旦売りで反応し、1.1230まで下落した後、1.1280近くまでV字回復といってこいでした。
その後は、合意なき離脱か回避された後のクロス円の買いに支えられて、金曜日に大幅な上昇、一時1.1320をつけ1.1300近くまで戻して引けました。
離脱延期もポンドドルは振るわず
ポンド・ドルは、1.3040台からスタート。
木曜日のEU首脳会談で「合意なき離脱」が回避される可能性が高いとの見通しでやや上昇気味で推移、1.3120と1.3040のレンジ内でやや上昇して木曜日を迎えました。
「EUのトゥスク大統領が1年の協議期限の延長を提案した」との報道でしたが、どうやらフランスのマクロン大統領が猛烈に批判したらしく、結果は10月末までの延期とやや期待を裏切る形となり、ポンドも勢いを欠く展開に。
市場全般のリスクオンでクロス円の上昇に助けられましたが、結局綺麗な欧州離脱にはハードル高いとの見通しから振るわずで、1.3070近くまでの小幅上昇にとどまりました。
オーストラリア・ドルは週を通じて強く推移。
中国の景気指標が上向いてきたことや、米中貿易協議の進展期待、クロス円の上昇が支えとなり0.7100近くからスタートして、金曜日は一時0.7190まで上昇、多少戻して0.7170台で引けと堅調でした。
クロス円の強い状態が継続か
さて、英国の欧州離脱期限が10月末に先延ばしされて、株式市場は力強く上昇しております。
IMFが世界景気の見通しを引き下げる中ですが、中国の先行き景気指標が若干改善傾向にあることや、JPモルガンの強い決算で米株式の雰囲気が良いことも足元の強さを演出しております。
米大統領選を来年に控えてトランプ大統領としては何としても株価を維持したいでしょうし、日本も消費税導入を10月に控えて株価失速は許されないというのが実情と思いますので、やや景気見通しが暗くともリスクオンが継続。ドル円の上昇、クロス円の上昇の時間帯が想像以上に長く続くかもしれませんね。
年初のフラッシュクラッシュはどこへやら……。
ただ週末に、今週から始まる日米貿易協議を前にムニューチン米財務長官から、「為替も議題となり、通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」とコメントして円安をけん制する発言が聞かれました。
トランプ政権は昨今のドル高に不満を持っており、FRB批判、欧州への関税、日本にもプレッシャーとなりふり構わず来年の選挙戦へ向けた政策を打ち出してきています。
何らかのきっかけでドル高が是正されるのかしれませんが、いつになるかは市場の気分という感じでしょうか。
日本の大型連休がきっかけかもしれませんし、そうでないかも。。
基本的には株式市場が堅調な間はクロス円が強そうなので、あまり逆らってもいいことなさそうですね。
目先はクロス円、ドル円の強さにあやかれるようにポジションを考えて行こうかなと思います。
それでは皆様、今週もグッドラック！！
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